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スペース カウボーイのプライアのネタバレレビュー・内容・結末

スペース カウボーイ(2000年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

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かつて史上初の宇宙飛行士になれるチャンスのあったクリントだったが、
実際には猿が選ばれ、これを逃したという過去があった。

ある時ロシアの宇宙コロニーか何かが暴走する可能性が生まれ、
それを直せるのはクリントだけだったため、念願の宇宙へ行けることになる。
昔共に夢破れた仲間たちを集め、改めて訓練し直し、いざ宇宙へ。

が、このコロニーは核弾頭を積んでいるということが判明した。
しかも数十秒後にはそれがアメリカ本土へ発射される状態になる。
そこで仲間の一人が自分の命を捨て、コロニーと共に月方向へ飛んで行く。
この男の夢は月に行く事で、自らその役目を買って出たのだった。
念願の宇宙へ来れた事で、帰還へのこだわりはなくなっていたのだろう。

スペースシャトルもダメージを受けており帰還さえも難しかったが、
クリントの天才的操縦センスによって見事着陸成功。
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これまでにも書いてるように、クリント映画はいつも古臭くてベタである。
でもそのベタさは、何とも見ごこちの良いベタさなのである。
爆発的に面白い事は少ないが、ハズレがまずない。完全なる主観だが。

この映画も、クリントが宇宙に行って作戦を成功させるという結末は、
映画序盤から丸分かりだったが、それでいいのだ。
その過程をほのぼのとした安心感の中で見ていれば、それで良い。

古臭くてベタで、主人公ばっかりがいい所を見せる映画。
踊る大走査線やアマルフィと同じなのに、何が違うのだろう?と考えた。
それはクリントが単なる2枚目ではなく、頑固で融通がきかなかったり、
どうしようもない宇宙バカだったり、短気だったり、時には下品だったり、
英雄以前に人間臭いキャラだからではないだろうか?

およそ現実離れしていて、少なくとも周囲にはまずいない人物。
いたとしても英雄ではなく、むしろ地味に不器用に生きている事だろう。
だから、織田映画のように、カッコつけてるだけにしか見えないような、
そういう万人ウケを狙った安っぽさを感じないのではなかろうか?

おれに部下はいない、いるのは仲間だけだ!とか言いながら、
単独行動で自分1人の活躍で事件を解決する奴。カッコ悪い。
おれが宇宙に行ければ他はどーでもええねんボケ、ってなノリで、
現場でもワンマンに徹しながらも仲間を気遣うクリント、カッコいい。
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