室園元

長屋紳士録の室園元のネタバレレビュー・内容・結末

長屋紳士録(1947年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

嗚呼、矢張り小津作品は良いな。言葉のやり取りがちゃんとされてから行為が続くから、焦らず聞いて見る事が出来る。心地良い。
僕の理想の受け応えだ。然しそうは思っても僕のせっかちは中々直らない。どうしたもんかなあ。

火鉢が欲しくなるな。

長屋に住む人々の話。男が親に捨てられた子を可哀想に思い拾ってきた。長屋の人人はおっつけ合い、くじの結果によって初老の女の手に渡る。最初は面倒臭いと嫌がっていた女だったが一週間もすると情が湧き、「うちの子になっちゃいな」と迄言うようになる。子供を連れて動物園へ行き、帽子と服を買ってやり、写真屋さんにも行った。そして一日の終わりに子に肩たたきをして貰っている所に実の父親が現れる。子供は親に捨てられた訳では無く逸れただけだった。父は必死に我が子を探し漸く見つけたのだった。女は与えたものを一まとまりにして子に渡して「きっと又遊びに来るんだよ」と二人を見送る。
室園元

室園元