H4Y4T0

セルピコのH4Y4T0のレビュー・感想・評価

セルピコ(1973年製作の映画)
4.0
シドニー・ルメット監督作品鑑賞1作目。
不屈の精神力で揺るぎない正義を貫き通した男、フランク・セルピコ。
そんな彼がニューヨーク市警に務める汚職警官の実態や、上層部の腐敗問題に一人立ち向かう勇姿を描いた実話映画。

“警察官”という堅い役職を誇りに思う一方で、その腐敗しきった実態に疑問を抱き、私服警官に転身するも新たな問題が浮上する。
どこもかしこも汚職警官だらけ、おまえら本当に国家公務員かよと疑ってしまうレベル。
そんな浮ついた現状を打破しようと、自らの危険を冒してまで勇猛果敢に立ち向かうセルピコの生き様に心底しびれた。

正直者が馬鹿を見る時代で、思いっきり馬鹿をやろう!そんなメッセージが込められているように感じた。
単なる我が儘なんかじゃなく、誰しもが過ちを認め、正しいと思う行いをすればきっと社会は良くなる。
それはどこの世界でも言えることで、つまらない意地を張り続けても己の主張がまかり通る程世の中甘くはない。
共感できることだらけで、自分自身を見つめ直す良いきっかけとなった。

70年代初期のファッションや音楽のセンスも秀逸。
とにかくセルピコがお洒落さん。この時代に、ここまで頻繁に衣装チェンジする作品も珍しい。動物好きでヒッピー気取りのセルピコならでは。

言わずもがな大御所として讃えられる俳優アル・パチーノの類まれなる才能を再認識することができたし、何事もめげずに頑張ろうという強い意志に心を動かされました。
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