リッキースティムボート

ヤング・ゼネレーションのリッキースティムボートのレビュー・感想・評価

ヤング・ゼネレーション(1979年製作の映画)
4.0
青春はやっぱりイタい! 自転車をめぐる爽快ムービー!

1979年公開、青少年と自転車競技をめぐる青春映画。RHYMESTER宇多丸さんの生涯ベストとしても知られていますね。

高校を卒業しても大学にも行かず、まともな職にもつかず自転車に興じるボンクラ4人組。なかでも主人公のデイヴがまたイタい感じで、イタリアにかぶれてイタリア語訛りで喋っては父親にも煙たがれ、さらには女子大生に自分はイタリアからの交換留学生と偽ってお近づきになったり、かなりアイタタな感じ。でもこれ、自分も大なり小なりそういう時期あったよなあと思うから痛いわけで。

またデイヴの父親がいい感じにイタリアに、自転車に無理解なんですよね。そこにはいろんな理由があって、単に息子の将来を案じてたり、単に息子の趣味に理解できなかったり……などなど。あるいは彼自身、栄光と挫折があって、中古車販売の職についているんですよね。そんな彼からすると、きっと単に息子がまぶしかったのかなと。そして息子が挫折を経験したときに、やっとお互いわかりあえる、そのシーンが印象的でした。

そして本編最大の見所はもちろん、クライマックスのレースシーン。約40年前の映像ながら、レース終盤の息を飲むデッドヒートは本当にすごい。ワンカットで撮られた映像のスリリングさは、素直にどうやって撮ったんだろう?と思うすさまじさ。

物事の始まりはいつもイタイ。そこから痛みを経験して成長していく、そんな青春ストーリーでした。オチもやっぱイタイところも最高でしたよ。