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英雄の条件のshu1のレビュー・感想・評価

英雄の条件(2000年製作の映画)
4.5
法廷サスペンスの秀作。軍人を題材にすることである程度のアクション要素も入り静と動のバランスが取れているが、この作品の見どころは法廷での争いにある。被告になった主人公サイドが不利な証拠を切り崩そうともがく様子がよくできていて、静かな言論戦の中でも風向きが微妙に変化していくのを読み取ることができ、これこそ法廷サスペンスの醍醐味だと感じた。また、被告の主人公が有罪なのかどうかがはっきり示されないことも特徴の一つで、見る側も陪審員と同じように主人公を信じたり、疑ったりと気持ちが変化するような構成になっている。これによって、「法廷とは何か?」、「真実とは何か?」というメッセージをうまく表現できている作品だと思う。ただ、ストーリー上アメリカを翼賛するような内容にもとれるので、この点については批判的に観る目をもっておくべきだろう。
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