きーたん

吉原炎上のきーたんのレビュー・感想・評価

吉原炎上(1987年製作の映画)
5.0
もう映画観なくていいわあたし…
この世にここまで完璧な映画があるなんて。

子どものころにBSだかWOWOWだかで観たことがある。女同士で乳繰り合っていたことに衝撃を受けた。

あたしの“女嫌いの女体好き”はもしかするとここから始まっていた可能性すらある。

「この世にはセックスをしてお金をいただく仕事がある」というのをいつのまにかこの頭が認知していたのも、きっとこれを観たからだろう。

いやほんとうに、こんな完璧な映画がこの世にあっていいんだろうか…?


「冷やかし千人、客百人」
胸に刻んで明日も労働に励みます。どうしてもこの作品を観るうえで個人的に明らかな実感を持って観ることにはなるんだけど、季節が時代が移っても女は変わらない。変わらなくていいんです。

「噛んで…噛んで…!」
よくネタにされるシーンだけど泣いちゃった。あんな悲痛な叫び、これまでの映画作品のなかでもダントツでしょ…。

音楽も撮り方も吉原のセットも、何もかももうまじで非の打ち所がない。五社英雄すごすぎる。

あれはおそらくほんとうに炎上させていたよね。これまでの情念が堰を切って溢れるように燃え盛る炎、圧巻でした。


とにかく女の生き方への肯定がすごい。
そしてみんな逞しい。
女に生まれてよかった!と思える機会が少ないからこそ、この作品がありがたくて仕方がない。

そりゃ友近も狂ったように五社英雄語るわな。