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独立機関銃隊未だ射撃中のhummingbirdのレビュー・感想・評価

独立機関銃隊未だ射撃中(1963年製作の映画)
4.5
独立愚連隊のシリーズだろうと思って見たら、すごくシリアスだった。辛い作品だけど、終戦間近の戦場の様子がうかがえるので、全日本人必見。

谷口千吉監督の作品は、心温まる内容でもドキッとする部分もあることが多く、これはドキッとする要素が優勢。時に愉快な場面があっても、深刻な場面につながる。

舞台はソビエトとの国境を守るためのトーチカ(コンクリート製の陣地)。最初はトーチカの外に蝶や花が見えて、鳥の鳴き声もして、穏やかに見える。それが徐々に深刻な状況になるのがショッキング。

カメラがトーチカの外に出ることは少ないので、音や中の人の表情から、外の様子を知る。

各カットが決まっていて、特に夜のシーンは光と影とてもきれい。だけど、内容が辛くてそれどころではない(トーチカのセットは、いくつかあるんだろうか?)。爆発の振動で、座席が揺れるんじゃないかと思うほどの臨場感。

本当にこんな経験をした人がいるのが信じられない。非人間的過ぎる。

ただし、ラストはアメリカへの配慮(冷戦の影響)で大幅に変更され、撮り直しをしたそう。

「愚連隊大作戦」
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