チッコーネ

アクシデントのチッコーネのレビュー・感想・評価

アクシデント(2009年製作の映画)
4.0
事故に見せかけた暗殺を請け負う集団の物語ゆえ、派手なアクションならぬ「緻密に計算されたプロの手法」を覗き見る面白さあり。
特に冒頭の殺しは、発端から導き出される達成までの過程が流麗かつ意外性たっぷり、死体からジワジワと滲み出す朱の色まで、美しかった。
また知能を支えるオタクマインド、ナードらしく適度におしゃれな佇まい、仲間にまで向けられる疑心暗鬼…などなど、活動の中では「見張る」彼らの私生活を、逆に「見張れる」特別席が用意されており、終始心地よい。
夜の市街地や室内場面の照明は明る過ぎ、クローズアップ過多の撮影もやや気になるが(ルイス・クーの立派なもみあげは、付け毛なのね…)、スリリングかつ情念に満ちた佳作。