cinemaで逃避

仁義なき戦い 完結篇のcinemaで逃避のレビュー・感想・評価

仁義なき戦い 完結篇(1974年製作の映画)
3.8
シリーズ最終章
世代交代がテーマで
広能と武田が引退して終了
そしてこれからも
抗争は続くというエンド

観てみるとそこまで
蛇足に感じませんでしたが
4作かけて終わらせた
大きな物語の波を越えるのは難しく
小波で終わったなのは事実

主役の広能の出番は
チョロっとあるだけ
本作の中心は北大路欣也
かっと開く眼力が見事で
頭もキレるし、仁義を通す
天政会のニ代目に相応しい

これまでと同様に
抗争でバタバタ組員が死にます
槇原やら江田やら
風見鶏の調子乗り達も
バタバタ死んでいくので
そこは観てて清々しいです

にしても広能と武田の
ラストのすれ違いは痺れますね

同じ方向を向いた
武田と広能がアップで映る構図
声色、間、目線、表情の
微妙な変化の応酬の後、
広能が踵を返し、階段を降りて
画面から静かに消えていく

互いに理解し合いながら
死んでいった者がそれを許さない
二人の距離感を
見事に掬い取ってます

急遽、東映が作らせた割には
意外と完成度が高い
いぶし銀の最終作でした