コメディにもジャンル分けされる本作だが、笑った場面は1つもなかった。
というのも、序盤から常に「誰かに見張られている」という不確かさと、不気味さが漂っていたからだ。
すれ違う人の目線がとにかく気になるし、不可解な現象は度々起こる。
コメディよりはサイコスリラーに分類されるような作品。
とはいえ、基本的には明るくジョークを言うジムキャリーの役柄があるからこそ恐怖心を与えないで済んでいるといった点ではバランスがとても良く取れている。
もし、監督が
「この映画を観ている人にはトゥルーマンのようになって欲しい」
というメッセージを含んで作製したとしたら…
自分の信念で新しい世界に飛び込もうとする力をまざまざと見せつけるトゥルーマンと、メディアに洗脳され、人権を考えず人の人生を娯楽として楽しむ視聴者や制作者のコントラストによって、より一層トゥルーマンのようになりたいと思う視聴者が増えるだろう。
