サブリミナル効果

トゥルーマン・ショーのサブリミナル効果のレビュー・感想・評価

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
4.4
98年にこの斬新かつ壮大なスケールの設定がまず素晴らしい。
トゥルーマンによるラストも衝撃的でものすごく見応えがある。結論づけられた筋書きどおりの人生を歩むことの不気味さやリアルバラエティ番組に対する懐疑心があらわになった。

だが、私が1番心に残ったのはテレビマンとしてのクリストフのプロフェッショナルな想いである。
自分の人生を掛け、何十年もトゥルーマンを見守り続けて培った親心の側面とひとつの作品のコマとしてトゥルーマンを見なす冷淡で無情な様子が相入れているとも受け取れる表情に息を飲むものがあった。

また、プロダクトプレイスメントの先駆けを映画の中の作品内で取り組んでいるのもとても面白い。さすがハリウッド!絶対私がトゥルーマンショーの視聴者なら買っちゃうもん。

またこれは他のレビューで読み、ラストのシーンを理解したので記載しておく。
ラストの視聴者がピザを片手にすぐにチャンネルを回すシーンでは1人の生身の人間の人生であるにもかかわらず、フィクションのエンタメと同様に消費されていることへの狂気が現れている。

エンタメでもあり、SFでもあり、ホラーでもあり、何度も見たくなる作品である。