笑わせてよ

シリアの花嫁の笑わせてよのネタバレレビュー・内容・結末

シリアの花嫁(2004年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

期待以上に面白かった!!!アラブ系の映画って、何故か分からないけど小難しいようなイメージあってとっつきにくかったけどストーリーも演出もとても良かったし見やすかった!


・まずテーマが深い…。ある女性の結婚が中心に据えられて話が進んではいくものの、この映画ではパレスチナ問題やアラブ系女性が抑圧されている現実、女性差別など様々な重要なテーマが描かれている。割と女性の権利について進んでいる(中東に比べると)日本に住んでいる立場からすると、もう有り得ないくらい女性の権利が無視されていて本当にびっくりした。信じられない!
女性は大学に行けない(高等教育を受けられない)、お茶を淹れて出すのは勿論女性、好きな相手とも自由に結婚出来ない(調べたところムスリム女性は他宗教の人とは結婚できないと教義で決まってるらしい。ムスリム男性は出来るのに!!!)そもそも、主人公も主人公のお姉さんもあまり望んでないのに結婚させられたみたい…。終始不安そうだし不幸せそうだった。男性に見初められたら独身女性にはほぼ拒否権は無いって、前時代的な誘拐婚に近い気がする。

・息子と父親が最終的に分かり合えたのはとても良かった!!!感動!😳ロシア人奥さんとハーフの息子さんが、義実家の人々と親睦を深めていくのは見ていて心安らぐシーンが多かった。おばあちゃんが愛おしそうに孫を抱きしめたり、ロシア人のお嫁さんに言葉が分からないなりにトマトの切り方を教えたり。(お嫁さんも一生懸命言葉を覚えてコミュニケーションをとる努力をしていて素晴らしい🥲)おばあちゃんめっちゃ良い人…。おじいちゃんが孫に無言でバナナを剥いてあげるシーンも、おじいちゃんの本当の気持ちを表してるようでとても良かった。

・上で「主人公が終始不安そうで不幸せそうだった」って書いたけど、境界線のところで「早く君に会いたいよ!!」「私もよ!!」っていうやり取りしてた時は(あれ?何かこの2人上手くいくのでは?この旦那さんお嫁さんのこと大事にしてくれそう……かも!って思った。)旦那さんシリアのスター俳優でお金も持ってそうだし、主人公が幸せになれたらいいなぁ〜。

・息子がお父さん(おじいちゃん)を連行して行こうとした警官を「逮捕状は持っていますか?持っていないのに連行するならそれは違法です。私は弁護士です。」って言って追い払ったの、超超超スカッとしたなぁ〜〜!!!!胸アツ!!!ってかあの警官、お父さんを刑務所で暴行してたみたいなことも匂わせてたし、最低すぎるな。人の心ないんか??でもシリアとイスラエルの境目のイスラエルに占領されている地域ではああやってイスラエル人に苛められたり嫌がらせをされているシリア人が沢山いるらしい…心はシリア人なのに勝手に国境線を決められて今日からお前はイスラエル人な、なんて納得できないよね😭理不尽なパレスチナ問題に巻き込まれている犠牲者だ…本当に。

・最後の手続きを終えていない花嫁が門を越えて歩いていって、お姉さんを強く見つめる。そんな妹を見つめたあと、反対方向に向かって決意の表情で歩いて行くお姉さん。このシーン、映画の中で一番印象的で象徴的だった。妹の「私は私の道を自分の手で切り開いていくと決めた。私を押さえつけるものには絶対に負けない。お姉さんもどうかそうして。」という言葉が、発してはいないけど確かに聞こえた。2人とも幸せになって欲しい……。絶対なる!


・花嫁がシリアに行く手続きのところ、本当にイラッイライラッイラした!!👎イスラエル側の手続き人も、そんな修正液でどうにかなるならはややれば良かったのに!って思ったけど、それはまぁ置いといたとしても、シリア側の対応が有り得ない!!引き継ぎくらいしてからダマスカス行ってくれ!!こんなの社会人の常識でしょうが!?ムカつく〜〜💢💢まぁでもこんなことがきっと現実でも沢山あるんだろうね……目に見えない境界線に翻弄される人々……哀れで仕方ない……。

・そもそもだけど、一度行ったら戻って来られない、もう二度と里帰り出来ないし家族にも会えないって事がまかり通ってること自体おかしい!!そんなの間違ってるし当たり前の権利が奪われてる現状は変わるべき。やっぱりパレスチナ問題は第三者の介入でもっと解決への道を進むべきだよ!頑張れ赤十字〜!!

あと、根本的に私は三枚舌外交を行ったイギリスのせいでこうなってると思うので、パレスチナ問題の責任取れイギリス!!!解決しろ!!おい!っていつも思ってます。
笑わせてよ

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