がちゃん

悪魔の毒々モンスターのがちゃんのレビュー・感想・評価

悪魔の毒々モンスター(1984年製作の映画)
3.1
今回は、おバカに完全に振り切ったホラーコメディをご紹介。

フィットネスクラブの清掃の仕事をしている、メルヴィンは気が弱く身体も貧弱。
クラブに通っている若者たちの格好のいじめの対象になっている彼は、ある日いじめグループの悪質な策略に嵌ってしまい、危険な産業廃棄物の液体の中に飛び込んでしまう。

もがき苦しむ彼の身体は醜いモンスターと化してしまう

モンスター化した彼は、異常な身体能力と強い正義感を持つようになり、街の悪党たちを退治し始めるのだが・・・

高校の文化祭のノリで作られたようなおバカムーヴィー。作っているときは楽しかったでしょうね。
徹底的にグロを楽しみ、アクションシーンを張り切って、ラブシーンまで入れてくる。

本作制作時に話題になっていた、デヴィッド・リンチ監督の『エレファント・マン』をからかって映画ファンのハートまで掴みにきます。

悪乗りが過ぎて笑えないシーンやギャグもあるし、ぶん投げられる悪役が自分からジャンプしているのがまるわかりだったりするのですが、生温かい目で見てあげましょう。

モンスターが盲目の美女と恋するシーンはチャップリンの『街の灯』を意識したんじゃないかと深読みしたり。

片っ端から悪党を退治していくモンスター。巨悪の根源が市長であり、ついには軍隊にまで取り囲まれてしまう。

派手でグロい格闘シーンが目立つ中、横断歩道を渡れないおばあさんの手を引いて渡らせてあげるなど、心優しいモンスター。

悪質すぎるいたずらシーンなど、嫌悪感をお持ちになる方もいるかもしれません。

万人におススメできる作品ではないと思いますし、映画芸術派からしたら眉をひそめてしまうような作品でしょうが、こういう作品を受け入れてくれる映画ファンのかたが好きです。

本作のスタッフは東洋文化がお好きなようで、盛んにカンフーアクションが出てきますし、日本刀でのアクションもあります。

そして、東洋愛が募ったモンスタースタッフは、次作で日本へやってくることになります。
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