あああ

キング・オブ・コメディのあああのレビュー・感想・評価

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)
4.6
ドン底で終わるより 一夜の王になりたい

ラストでのパプキンの表情がすべてを語っていると思う。誰にも気づかれないまま、何もできないまま死ぬくらいなら、たとえ犯罪であってもやってやる。孤独で何も無い男が笑うにはこの方法しか無かった。
ジョーカーやタクシードライバーにも共通するテーマ。

恐らくなにか発達障害的なものを持っているであろう主人公は知り合う人全員から煙たがられる。そんな日々を唯一照らしてくれたのは、スターコメディアンのジェリー。ジェリーのように皆から愛され、尊敬されたいが、現実はその理想と著しく乖離している。ジェリーに会って話をしようとするも、まともに取り合ってもらえない。面倒なファンとしてしか扱われず、渾身のテープも見てもらえない。誰もパプキンに興味を示さないのだ。そこで彼はジェリーを誘拐した。ジェリーを人質としてステージに上がったパプキンに皆が歓声を向ける。例えそれらすべてが妄想だったとしても、あの夜、パプキンは間違いなくKING OF COMEDYだった。

ロバート・デ・ニーロの演技が妙に明るい為暗いムードではないのだが、本来ならジョーカー(2019)と同じぐらい暗くてもおかしくない内容だと思う。
あああ

あああ