EmiDebu

飛べないアヒルのEmiDebuのレビュー・感想・評価

飛べないアヒル(1992年製作の映画)
5.0
なんて表現したら良いのか。
小さい頃ビデオで何回か観たものの小さ過ぎて内容は覚えていなかった。それでも好んでこの映画を観ていたことは覚えている。
ずっと観たかったが、どこのレンタル屋を訪ねても見つからなくて、ようやく見つけてすぐに観た。
映画の中身はさておき、自分がいかにして映画を好きになったのか分かった。こんなに素晴らしい映画はない。中身が素晴らしいというよりも、自分のルーツ、現在に渡って自分が好きな作品に通ずる感性が凝縮されているような映画で、個人的にはこれを超える映画はない。だけど、客観的に観ていたとしたらそんな結果には至らなかったこともわかる。主観的にしか観れない、それくらい自分に振り切っている映画で、終始涙が止まらなかった。
ただそれだけで人生最高の映画とは言わせない。それ以上、つまり期待以上のことがいくつもあった。
自分が観ていた海外ドラマフリンジの副主人公が演じるチャーリー。彼の境遇が自分に重なってかなり親身になって見えた。
そして自分はかなりのディズニーファンなのだがこれもそうだった。小さい頃はそんなことももちろん知らなかった。
それと、ダックスというチーム名。自分が進学まで考えたオレゴン大学の強豪アメフトチームの名前と一緒だなのだ。それだけではないオレゴン大学には大学のカラーがある。早稲田がえんじ色に白を基調としているのと同じように、オレゴン大学は緑に黄色なのだ。ダックスのユニフォームも同じ。さらにだ、オレゴンダックスの標語Go Dacks。劇中でも登場したセリフだった。
そしてエンディングで流れるQUEENの曲。ここまで自分に近づいた映画は2度と登場しないだろう。
この映画を観たからアメリカに執着があったのかもしれない。この映画を観たから、転勤して行った土地土地の中でも秋田に惚れ込んでいるのかもしれない。
逆に言おう。この映画が無かったら全く違う価値観で育ち全く違う人生だっただろう。結果的にそれが好転したかどうかは今となっては分からないがこう育った以上この映画がナンバー1であることは間違いない。
EmiDebu

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