4pm

アンダーグラウンドの4pmのレビュー・感想・評価

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)
4.4
気になったので仕事ほっぽり出して観たが正解だった。ただ、開始5分くらいで観たことあるなと思い始め、最後の場面が何となく思い出されて、どうやってあんなラストになるんだ、別の映画だっけとか思っていたら地下に降りるところで確信。観たことを忘れて同じ映画をもう一度観るのは、初めてで色々と新鮮だった。ストーリーはうろ覚えだけど、ところどころの映像に見覚えがあって人間の記憶って面白いなぁと。
何というかスケールのでかい映画で、最後の言葉通り、国がなくなるまでは悲しみや苦痛、笑いの歴史なのだ。群像劇の大河ドラマを一本の映画に凝縮したような作品。なんか小説だと桜木紫乃のラブレスみたいだな、と思った。明らかに2-3部作でやれるものをどかどか詰め込んで押し込んだ感じ。良い意味で。
笑って泣けて映像が綺麗で音楽もいい、そう改めて振り返ると完全無欠じゃん!
絵的にはドナウ川で日が昇るシーンが美しくて好き。
あと、何気に映画、フィクションにおける真実とはなにかみたいなテーマは意識されてるような気がする。特に、マルコたちが地下では常に演技し続けていたこと、クロが地上に出て映画の撮影場面になだれ込むところあたりにそれを感じる。前半と後半で同じような絵面を撮影して、違いを見せているところとかも。なんとなく地獄でなぜ悪いとか、リップヴァンウィンクルの花嫁とか、カメラを止めるなが脳裏によぎる。
妻に聞いたら、10年以上前に一緒に観た映画だった。アップリンクで観たらしい。よく覚えてるよなぁ。
4pm

4pm