なおまる

チキンとプラム 〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜のなおまるのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

現実から目を背け続けたバイオリニストが、ロマンチックに死ぬプロセスを描いたフランス・ドイツ・ベルギーの合作映画。

生活費を稼がないためワイフがブチギレ。バイオリンを破壊→主人公逆ギレ。家族3人を捨てて絶食自殺をはかる→若い頃の恋愛はよかったなあ… などと回顧して終わりなのである。

とにかくこの主人公、芸術家と名乗っていれば全て許されると思っている老害。

前半はよかった、前半は…
演出がユニークでシニカルさもあり、大人の絵本のようで期待が膨らむ。イレーヌが出てきたあたりから「いや、ただ現実逃避しとるだけやん…」と興醒め。この2人が何故そこまで引き合ったのか、観る者にはよくわからない。最後に死を少し後悔する描写があること、妻に手を伸ばすシーンがあることから、少しでも気持ちが通じていてほしいが、イレーヌが全部持っていくので霞んでしまう。

チキンのプラム煮は一瞬しか出てこないが、奥様の愛の象徴だった。死ぬ前に一口でも手を付けて欲しかったな。それにしても、どんな味なんだろ?食べてみたい
なおまる

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