伝説の映画監督と呼ばれた山中貞雄の遺作。本人は、今作を遺作にはしたくないと願っていたそうだが…。
音声がほぼ聴き取れず、話もよくわからなかったが(悲劇的な話だということは理解できた)、白黒で画質の荒さもあり、まるで江戸時代の長屋の人々の生活をそのまま撮ってきたような、恐ろしいリアルさがあった。
縦、かつ奥行きのある構図を中心に、雨の中立ちすくむ主人公や、ラストカットの、溝にはまって浮かぶ紙風船など、印象的なカットがいくつも存在した。
山中貞雄作品は、まだアマプラにあるようなので、もう少し観てみたい。