二兵

人情紙風船の二兵のレビュー・感想・評価

人情紙風船(1937年製作の映画)
3.6
伝説の映画監督と呼ばれた山中貞雄の遺作。本人は、今作を遺作にはしたくないと願っていたそうだが…。

音声がほぼ聴き取れず、話もよくわからなかったが(悲劇的な話だということは理解できた)、白黒で画質の荒さもあり、まるで江戸時代の長屋の人々の生活をそのまま撮ってきたような、恐ろしいリアルさがあった。

縦、かつ奥行きのある構図を中心に、雨の中立ちすくむ主人公や、ラストカットの、溝にはまって浮かぶ紙風船など、印象的なカットがいくつも存在した。

山中貞雄作品は、まだアマプラにあるようなので、もう少し観てみたい。
二兵

二兵