しゅう

人情紙風船のしゅうのレビュー・感想・評価

人情紙風船(1937年製作の映画)
4.0
山中貞雄の遺作。
長屋の場面の縦の構図や御屋敷の俯瞰気味な横の構図が非常に効果的で現在の眼で観ても優れた作品と言っていい。
ストーリーは悲劇的ではあるが、通夜の場面の大騒ぎや、がめつい大家のユーモラスな駆け引きなどが明るいタッチで描かれており後味は悪くない。
結末は簡潔かつ凄味もあり、刃物の扱い方など久々に映画らしい描写を観た思いで心に残る。

ちなみにコチラはジャック・フェデーの「ミモザ館」がベースになっているようです。
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