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青の稲妻のMOTOのレビュー・感想・評価

青の稲妻(2002年製作の映画)
4.5
舞台は2001年の中国山西省。高速道路の建設ラッシュが始まっているけど、主人公達若者は失業していたり、住んでいる団地は未舗装の荒地にあって半スラム化していたりで、そんな鬱憤をタバコを吸いまくったりタダ酒に群がったりで晴らしているいわば中国版ロスジェネ映画。

やり場のなさが溢れた画面とか、底辺無職で毎日ブラブラしてタバコを吸って酒飲んでいるだけなのにどこかに素朴な品の良さだか矜持みたいなものが残っている所とか、やたらと同じ動作を繰り返す反復のシーンに若者のやり場のなさと若さの持つ無限のエネルギーという相反する要素が込められているところとか、工場労働者のための団地が工場が不景気で荒れ果てている景色とか、北京五輪のための浄化作戦がすでに始まっていて消えていく床屋風俗とか、当時の中国の”今”の切り取り方がめちゃ好みでしたね。
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