Ryan

女相続人のRyanのレビュー・感想・評価

女相続人(1949年製作の映画)
4.1
知能戦


ストーリー
NYの高級住宅地に邸を構える医師スロッパーは無器量で社交的でない一人娘キャスリンの行く末を案じていたが、彼女を家事や刺繍に閉じ篭らせていたのは、彼が断ち難い想いのあまり亡妻を理想化し、そのイメージを彼女に押しつけていたせいもあった。


主演 オリヴィア・デ・ハヴィランド
監督 ウィリアム・ワイラー


ヘンリー・ジェイムズの1880年の小説「ワシントン広場」が原作。
第22回アカデミー賞アカデミー主演女優賞含めた4部門受賞作品。

恐ろしいほどに面白い。
滑稽でいて人間の真の恐怖を感じた。

序盤の始まり方は、割とこの時代の作品によく見られる傾向で「面白いのか?」と疑問に思っていたが、中盤からめちゃくちゃ面白い。
モノクロがかえって怖い。

恥とプライドを捨てて生きるのか、己の信じた道を生きるのか、選択は個人に委ねられるわけだが、この作品の面白さは現代にも通じる"拗らせ女子"ではないだろうか?
歴史が変わり時代は移ろいゆく物だが、どの時代でも"恋"だけは姿形を変えないのだなと改めて実感。
その狂気じみた物がとにかく人間の欲望そのもので怖い。
父と娘の関係が余韻としてヒシヒシと伝わってくる。

あの叔母はどうにかした方が良い。
下心丸見え。かなり静かにしていた方だが、現代にもいそうな田舎の親戚感が半端ない。

想像以上にめちゃくちゃ面白い。
昔の映画から学ぶことも多々あるものですね。
Ryan

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