リアムギャラガー

変身のリアムギャラガーのネタバレレビュー・内容・結末

変身(2002年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ良い実写化じゃないですか???他の実写化観てないから知らんけどこれめちゃくちゃ良くない?お前がナンバーワンだ!!!

『変身』は「グレーゴル・ザムザがある日気がかりな夢から目覚めると〜」で始まるわけだけど、冒頭でその「気がかりな夢」を映像化しちゃう感じが!!!映画として一本筋を通しつつ原作を損なわないような感じが!!!!すごい。好き。

「気がかりな夢」の内容もめちゃくちゃ良い。カフカの日記?か何かでカフカが見た夢が記録されてて、その中に一つ電車みたいなめちゃくちゃ長い部屋の連なりを歩いていくっていうやつがあったと思うんだけど、それが元ネタだとしたらすごくない?愛を感じる。

てかもう全編通して熱の時に見るめちゃくちゃ嫌な夢みたいな雰囲気がすごすぎる。原作知らなくても好きだったと思う。バイオリンの音色が陰鬱すぎて最高だった。「水音は大自然のサントラですが?」みたいな水音の使い方もめちゃくちゃ合ってた。

カフカが『変身』の挿絵を頼む時に「虫は描くなよ!!!」って言ってた話は有名だけど、映画でもそれをちゃんと聞き入れてグレーゴルを虫の姿じゃなくて「人間の姿で虫のように振る舞わせる」っていう風にしたの天才じゃないか?そしてそれを実現した演技力もすごくないか?すごい。

絵画みたいなプラハ、めちゃくちゃ美しい妹、悪夢に登場した電車で素晴らしい未来に出発していく3人……笑いたくないのに笑っちゃう、みたいな滑稽さがより悲劇性を高めていてな…グレーゴルの家政婦が虫になったグレーゴルを鼻で笑うように、観ている人もグレーゴルの姿を滑稽だと思ってしまうことによって彼を追い詰めた現実そのものの立場を疑似体験できるんですね…

めちゃくちゃよくない?

面白いかどうかは置いといて、めちゃくちゃ良い実写化じゃない??面白いかどうかは置いといて。