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女は二度生まれるのkojikojiのレビュー・感想・評価

女は二度生まれる(1961年製作の映画)
3.7
不思議なメロディが不穏な雰囲気を醸し出す川島雄三監督の大映第1回作品。
若尾文子演じる芸者小えんがひとりの人間として成長していく物語。芸者の世界から足を洗わせ、面倒を見たパトロンである山村聰を失ってからの後半、今まで関係のあった男たちと立て続きに出会う。決別。身勝手な男たちだが、彼らなしでは生きて行けなかった彼女。ラスト以前知り合った若い男と長野へ向かい、彼を見送りお金と山村聰からもらった時計を彼に託し、ひとり駅舎に戻る。過去を捨てここで生まれ変わるのか。笑顔がまた物悲しいラスト。ここでも流れる不思議なメロディ。

昔舞台となっているあたりで働いていたので、景色も興味深く、あのあたりが花街だったのも初めて知った。とある薬局が写ったシーンで建物は変わったが当時からあそこにあったんだなぁとか。

個人的には川島雄三監督は今のところ、日活時代の娯楽的作品が好きだが、この作品は芸術的には素晴らしい作品。
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