女は二度生まれるの作品情報・感想・評価・動画配信

「女は二度生まれる」に投稿された感想・評価

書庫番

書庫番の感想・評価

3.9
2020年2月15日 レンタルDVDにて鑑賞。

富田常雄の「小えん日記」を原作とし、脚本・演出を川島雄三が手掛ける。
世間を逞しく生きる花街の芸者・小えんが人の強かさ、脆さ、心の美しさと醜さに触れながら、新たな一歩を踏み出そうとする様を描いた作品。

芸事よりも色事で生計を立てる芸者・小えんは一見強い女に見えるが、お金と割り切っているはずのお相手の女性関係にやきもきしたかと思えば、お金にならない純朴な青年にふらりと心を寄せてしまったりと、無邪気な奔放さを併せ持つ。
そんな彼女を艶めいた魅力たっぷりに演じるのは若尾文子。

妾となった著名な建築家との出逢いと別れが彼女の心を大きく揺らし、”昔の男達”との思わぬ形の再会に傷つきながらも、これからの人生と向き合う覚悟を決めた小えん。
唐突に訪れる終幕は逆に余韻が残るものとなった。
マヒロ

マヒロの感想・評価

3.5
戦争で両親を亡くし、芸者として様々な男の間を渡り歩く小えん(若尾文子)の生き様を描いたお話。

芸者……と言っても芸事をするというわけでもなく、男の人に支援してもらいながら生きる我々の知るような芸者さんとはまた違ったものらしい主人公の小えん。なんだか計算高い裏のある人間のような気がするが、実は全くそんなことなくて惚れっぽいのが玉に瑕なだけで至って純情な人であるというのがなんだか不思議で面白い。
金持ちの男たちとは割り切って付き合っているのかと思いきや、男らが他の女の元に行ったら悔しがるし、亡くなったら本気で悲しくなるしで本当の恋人のよう。かと思ったらそこら辺で出会った兄ちゃんや純朴そうな学生さんにまでふらっと手を出してしまったりするのでなかなか侮れない。

戦後の混沌とした時代を生き抜くためにある種男たちを利用していく強かさと、それでも垣間見えてくる天真爛漫な可愛らしさを併せ持つ小えんは単純に一言では括れない実に人間らしい複雑な人物像で、それをフラットな目線で淡々と優しく描いていくのがなんとも心地よかった。『女は二度生まれる』というタイトルを体現するかの如く、小えんがある出来事をきっかけに自分の生き方を見つめ直し生まれかわろうとするその瞬間に無情にも思えるほどバッサリと幕を下ろす潔さもまた良し。

(2020.15)
MegmiTanak

MegmiTanakの感想・評価

4.3
生まれや育ちで運命全てが決まってしまうのかな。いくら必死で足掻いても、ひとり佇むことしか出来ないのかな。人生に疑問を抱いた時こそ、運命を変えるチャンスである。彼女の第二の人生はこれから始まる、と信じたい。

そしてフランキー堺の見事な二度見、必見!
え

えの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

冒頭たばこをねだるところから始まり女の私ですら若尾文子にずっとドキドキさせられた、驚異の魅力、、
奥さんとの言い合いも見もの

着物着たくなった、上品な美しさを備えていきたい。。
yukako

yukakoの感想・評価

4.2
若尾文子みたいな色っぽいお姉さんが可愛がってくれるなんて全男子の夢だな。
皆が皆、感情がどこにあるのかわからない。ある意味で奇妙な世界観だと思った。
浅く描いている様で深い作品。それを狙ってる。
内部体験として何かが起こっている、それだけで話が進んでいる。
人間ってでもこういうことなんだろうな、
こんな物語があるのか、と思った。
川島雄三凄い
ああ若尾文子はどんな瞬間も美しい。
芸者から銀座の蝶になり自立の影を見せ、また芸者へと移り変わる女の一生。
藤巻潤からフランキー境から山村聰から高見国一までくるくると止まり木を変え時には娘のように、時には姉のように、時には恋する乙女のように様々な顔を見せる。だが何をしてても例え下ネタ言ってても娼婦には見えず、純真でただ美しく堂々とした嫌味のない真珠のような存在感はさすが若尾文子。
こんな文子を置いて他の女のとこに行ったあのおじさんの目は節穴か?

パパと慕った山村聰の下の世話をして尿瓶を持つ文子の健気さ。そこまでしても前妻に指輪泥棒と罵られ、挙句パパの実の娘と邂逅し血の繋がりを見せつけられる。

空襲で両親を亡くして芸者の道に辿り着き、身寄りないながら生きるために様々な男と交わる人生を映画開始からずっと側で見てきた私は、あの文脈からかつて情熱を見せた男が今は別の人と幸せな家庭を築いているのを見た若尾文子の心情とシンクロして胸が苦しくなった。周りの音が響く中、1人取り残された若尾文子の姿がずっとまぶたに焼き付いている。
最初はそこまで何とも感じなかったがあとから思い返してジワジワくるスルメのような映画。
俊之助

俊之助の感想・評価

4.5
傑作。
懐かしい顔があるとすぐふらふらとついて行っちゃう若尾文子がまさに映画的。
意味なんてないのさ行き当たりばったり。
ところがお父さんがドスを床に刺したあたりから若尾文子の生と性に意味が出てくる。負の感情も画面に出る。
旅の終焉、彼女は止まること、残ること、引き返すことそして孤独を選ぶ。
緑雨

緑雨の感想・評価

4.5
昭和中期日本のセックスシンボル若尾文子を捉えた最高峰。ナチュラルでイノセントなスケベさというか。山村聰、山茶花究、フランキー堺…男どもが隠しきれない情事の前の高揚感がなんだかリアルだし。

全てのカットに魂が入っている、と云うくらい見応えがある。昭和30年代東京の風景と風俗を垣間見られるのも嬉しい。シーンの繋ぎの歯切れもよく、若尾が男たちの間を入れ替わり立ち替わり渡っていく軽快さに重なる。

唯一自分を道具としてしか見ていない藤巻潤に傷つき、山村の墓塔を曰くありげに撫でまわし、そしてあの曖昧なラスト。傑作だ。
喪服姿の「小えん」(若尾文子)が筒井のお父さんの墓前で別れを告げる絵が美しすぎて、どうしようもない...

イタズラっぽく、ちょっと気になった男の心を次々とつかんでいく「小えん」の女っぷりが最高。イヤらしくなく、ともすれば愁嘆場となるところをドロドロに見えさせず、むしろ、小気味良い爽やかささえ感じられるのはお見事としか言いようがない。

若尾文子さまのハマり役。大女優 若尾文子さまの幕開けといったところか。東宝から名監督川島雄三を借りてまで製作されるんだから、若尾文子という女優は全くただ者ではないよ。(^^)

小えんの素晴らしいところは、女を大事にできる広い心の男を見抜けて、その男を心から慕い、誠実に尽くせるところ。

とは言え、お父さん(藤巻潤)の小えんの愛し方は、男として尊敬できる。一番の見処だったかもしれない。

二号とか、ペッティングとか、懐かしい言葉を思い出させてくれた。そういえば、そんな言葉あったよね。小学生のころ、ご近所のうわさによく、二号さんよ、みたいなのあった、あった。(^^)
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