KazuAnn

アパッチ砦のKazuAnnのレビュー・感想・評価

アパッチ砦(1948年製作の映画)
4.0
インディアンと白人が戦う西部劇は初めて見た気がする。敵ながらインディアンに敬意を持つジョン・ウエインの進言を聞かず、がむしゃらに攻撃しようとするヘンリー・フォンダ率いる攻撃隊が待ち伏せしていたインディアンに一方的にやられてしまう展開は、意外感も有り、興味深かった。

王道パターンを崩した展開なのか、それとも人種差別の声を避けたのか?

ジョン・フォード監督はアイルランド系の移民二世であることを知った。ヘンリー・フォンダ演ずる指揮官はアングロサクソン系で、ジョン・エイガー(ウェストポイント陸軍士官学校卒業した中尉)とウォード・ボンド親子はアイルランド系らしく、彼らに差別的な視線を向ける。ジョン・ウエインもアイルランド系らしく、この映画は人種差別者と、そうでない者とを対比した映画でもある様だ。

大スターとして有名なヘンリー・フォンダが、言わば否定される人格像で出演していたのには、多少驚かされた。それだけ、ジョン・フォードが大監督だったということか、それともどんな役でも演じられることをプラスと考えるタイプのスター俳優だったのか。

ヘンリー・フォンダの娘役演じたシャーリー・テンプルの愛らしさや颯爽と馬を乗りこなす姿には驚かされた。初めて、彼女の出演映画を見たが、当時のアイドル的スターらしいが、後に政治家となり大使までなったのも驚き。

闘いのシーン、特に白人騎兵を乗せて、またインディアンによる撃ち殺されて乗り手無しで疾走する馬の映像はなかなか見せるものがあった。
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