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きみに読む物語のmiaのレビュー・感想・評価

きみに読む物語(2004年製作の映画)
5.0
レビューというか、分析のようになりますが…

この映画は間違いなく私の中で1番好きな映画で1番見ている映画です!これまでに7回?8回?くらいみたんですが、今Billie Holidayのjazzにハマっていて、この映画でも使われているので、曲を知った状態でまた見たら最高だろうなぁと思い、再視聴しました。
すると今まで6回7回見た時には泣ける、最高にロマンチックな王道ラブストーリーだと思っていたこの作品が、細かく見るとすごくこだわりをもって作られてるとわかったんです!なのでシェアしないと!!と思いまして、何年かぶりに投稿します😅😅

次の三つについて説明します!

・鳥だと言って!
・I’ll be seeing you (Billie Holiday)
・戻ってくる


———以下ネタバレ注意です!————————-

・鳥だと言って!
 
 この作品、鳥がいっぱい出てきますよね?
 アリーが鳥について言及する場面を覚えていますか?海でノアと二人遊ぶシーンなんですが、前まで見た時は普通になにも考えず見ていた場面で、今回はなぜかひっかかったんです、「ここでこのシーンいるか?」と。二人の間に格差があることをナレーションで伝えた後なので、わざわざ二人が仲良い!みたいなことを示すシーンはいらないんじゃないかと思って。でもすごく重要なんです!
 
 アリーは、「前世では私、鳥だったと思うの。そうだと思う?」と尋ねます。ノアは「わからない。」と。そこでアリーは少し悲しげな声で「あなたも鳥よね?」といい、ノアは「君が鳥なら僕も」と言うふうにまたこれも悲しげに答えます。
二人には格差があって、(アリーの家族からは)同等には扱ってもらえない。でも前世は二人は同じ鳥なんだ、というメッセージを最初は感じていたのですが、もっとありました。

 その後に出てくる鳥のシーンが、二人のことを隠喩的に表しています。

 長年帰ってこなかったアリーが帰ってきて、有名な白鳥の湖でボートを漕ぐシーンがあります。そのシーンではアリーが白鳥は何をしているのか尋ね、ノアは「わからない、いつもならとっくに南部に帰っているはずなのに。」といいます。アリーは「ここには残らないの?」というと、ノアは「みんな元いた場所に帰るんだ」と返事をします。
これはアリーがフィアンセのもとに帰るということを示していますね。

 最後のエンディングでも、二人が一緒に召された後に、最後鳥が飛んでいくシーンが短いですが映されます。それは二人で一緒に旅だったということを表しているんだと思います。深いですね🤔

・I’ll be seeing you (また会おう、という意味)
 この曲も重要です!
 使用されていたシーンは、二人がお互いに意識し合う映画の帰り、路上でダンスをしようと言ってノアが下手ながら歌う場面と、現在のノア(デューク)と一時的に記憶を取り戻したアリーが、「僕たちの曲だ」といってこの曲にのってダンスをする場面です。二人の愛の象徴とも言うべきですね。
 また、日本語字幕ではわかりにくいですが、デュークの最後の言葉に注目すると、これも実はI’ll be seeing you.(また会おう)と言っているんです!!😳
二人そろって亡くなる前の、ノアが最後にアリーにかける言葉。
落ちのある綺麗なエンディングですね。

 最後のシーン、今まで結構綺麗にいきすぎと思ってたんですが、その前の日(物語を読んだ日)の最後にアリーの記憶が戻って、その後また戻ってしまってそのショックが大きかったのか朝も発作おこしてましたね、だから今回見た時はそんな違和感なかったかもと思いました。それよりこのセリフのオチに注目してほしいですね!

・戻ってくる

 「戻ってくる」というのは、この作品外せない要素だと思います。何度も見られている方は、なぜアリーが認知症で苦しんでいる設定なのか疑問に思ったことはありませんか?実はこの認知症の設定も意味があって、若い頃に重ねてあると思うんです。
 劇中何度も繰り返されるこの「戻ってくる」という言葉が登場しますが、意味合いが場面によって異なります。
 若い頃はアリーが南部のノアの元へ「戻ってくる」という意味で使われていて、年老いた今では記憶が蘇ってノアの元へ「戻ってくる」という意味で使われています。

深いなぁ…

 最後のベッドで横たわっているシーンでも、アリーが「いつか戻ってこれなくなったらどうしよう」といい、それにノアが「大丈夫、ずっとそばに居る」と答えるところがありますが、これは若い頃(アリーがニューヨークの大学にいくといって、ついてきてよと言った時に躊躇っていたノアの描写)はそばに居るという選択がらできなかったノアも、それで離れ離れになって後悔したから、だと思うんです。もう何があってもそばを離れない、と。
 だから自分の子供たちが「もうお父さん帰ってきてよ」と言っても、きっぱりとアリーのそばを離れないといったんですかね…

深い…😭

 ちなみに、高校生のときかな?このデュークという物語を読む男性が、ノアではないのではないか!というのをネットで読んだのですが、それはないですね!😂
 しっかりアリー・カルフーン(旧姓ハミルトン)になってますし、ノアの好きなホイットマンの詩のこともデュークは言及してますからね!

大学で文学の描写など考えることが多いからか、隅々まで描写の意味を考えるくせがついて、映画がより面白いと感じられます!うれしい成長だ🤍

8回くらいみてるけど今回も安定に泣きまして、目が腫れております。😆👍
読んでくださった方ありがとうございました!
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