アンタレス

きみに読む物語のアンタレスのレビュー・感想・評価

きみに読む物語(2004年製作の映画)
3.9
認知症を患い、5分前の出来事さえ思い出せないという老女。同じ養護施設で生活しているデュークは、老女にある男女の物語を語る。とても優しい声色で語られる物語を、老女は一心に聞いていた。
1940年、アメリカ南部の街、シーブルック。ノア(ライアン・ゴズリング)は別荘にやってきたアリー(レイチェル・マクアダムス)に一目惚れし強引にデートを持ちかける。次第に仲良くなり付き合い始めた二人。ノアは夢を語り、アリーはノアの夢に心を踊らせる。が、身分違いの恋であるためアリーは両親に猛反対される。この、ひと夏の恋は唐突に終わり、二人はお互いを愛しながらも、別の道を歩くことになる。

アリーの行動の軽率さや身勝手さが目についてしまい、あまりアリーには感情移入できなかったが、振り回されるノアの感情は察するに余りある。一心不乱に家を改築するシーンなど、ノアの前途が不安になるほどであったが、それにより一途な気持ちが表現されているのではないだろうか。
音楽や画面に映る美しい映像もさることながら、理想とも言えるラストシーン、これだけで充分に満足できるほどであり、期待以上の作品だった。
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