ゆきゆきて、神軍のVermontcurryのレビュー・感想・評価

冒頭のド派手な街宣車と結婚式で飄々と自身の犯罪歴を語る奥崎謙三に笑ってしまったが
決してそんな面白おかしい映画ではなかった。
凄惨なニューギニア戦線とその地獄を抱え続ける帰還者の苦悩は想像を絶する。
ただ戦争という大きな出来事でより一層顕在化されることとなったが
奥崎は元から独善的な性質の人間に思える。
押し問答の末に自分が欲していた結論を相手から引き出したのを見て地頭は相当良い人なんだろうなと。
天罰論や遺族の代役を立てるやり口は一切共感できないが。
衝撃作という言葉でも形容しきれない。