ぺい

ゆきゆきて、神軍のぺいのレビュー・感想・評価

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)
4.0
絶対正義と絶対悪
大学の講義で死刑論のテーマから絶対悪について議論したことがある。
多くの人が絶対悪は存在し、それは殺しであり、その絶対悪を犯した者は死刑によって罪を償うべきであると結論付けた。
この作品における村本は死刑にあたる存在だったのだろうか?
戦争という非常事態だったのだからと言うのなら、その時点で「絶対」の悪ではないと言えるだろう。

仮に村本らの行為が絶対悪だとして、奥崎の報復は正義なのか、悪なのか。この結論は永遠に出ないのではないだろうかと考える。
つまり、この世には「絶対」という物事は存在しない。
自分にとっての絶対があっても、それは他人の絶対にはなり得ないのだから。
今の世の中は、グローバル化やLGBTQなどと謳いながらも、物事を片方のみから捉え「絶対」をつけてしまう。
確かにあなたにとってはそれが絶対かもしれないが、もう一方の側からしたらまた別の「絶対」が存在するかもしれないと考え、それを理解しようと努めることが大切なのだと思う。決して理解できなくても良い。
その姿勢が今の世の中に欠落していると考える。
ぺい

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