としき

ゆきゆきて、神軍のとしきのレビュー・感想・評価

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)
4.4
奥崎という人間は自己愛的なヒロイズムに陶酔するだけの、アナーキストなんて名ばかりのクソだ。平和を守るためなら暴力をも肯定するという要旨のことをほざいていたが、それの意味するところのパラドックスに気づいているか。ヒロポンの毒に当てられた頭じゃまともな会話もままならない。しかし結果的にこのフィルムが、現代においてまあマニアの間であっても、流通しているということは実に喜ばしいことである。戦争という一つの人の営為を冷徹なレンズで捉えている。多くの人に見てもらいたい、程度の多寡に関わらず人生観が変わるだろうから。
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