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花と兵隊のヒラリーのレビュー・感想・評価

花と兵隊(2009年製作の映画)
3.8
日本人のわすれものに近い内容なのかと思い本作を鑑賞。
タイ・ビルマ国境付近で敗戦し、祖国に帰らなかった6人の日本兵
何故彼等は日本に帰らず異国の地に根を張ったのか、というドキュメンタリー
日本人のわすれものは戦争孤児となった子供だったが本作は戦争後自らの意思で残った男性
住む家もない先行きの見えない日本で暮らすか、異国の地に残るか。
理由は成り行きだったり、無事に帰れない可能性があったりと様々。
印象的だったのは皆全員が残ったことを後悔していない事、ちゃんと愛する人を見つけて幸せそうに暮らしていた事。
手に職をつけてその土地や人々に貢献し感謝されてる姿を見て他人がとやかくいう資格はないと思ったし、これが最善の選択だったように思える。
後半に戦時中の状況、補給無しの地獄の様な戦闘、人肉を食べたという話も生きる為の行動を否定なんて出来ない。
戦争と言えば広島長崎の原爆、沖縄戦がよく取り上げられているが日本が出征していた国での出来事は見る機会が少ない。
現に彼等は自らの足で遺骨を見つけ慰霊碑を立てていて、何も知らずに日本で暮らす自分が微温湯に浸かってるような気分になった。
戦争を経験した人は年々亡くなっていく。
皆高齢だし、波風立てずに今は余生を家族と過ごしてるけど全員亡くなって、綺麗さっぱり終わりってわけにはいかんやろ。
日本は戦争責任を果たした様に思えず情けなくなった。
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