MitsuhiroTani

トラフィックのMitsuhiroTaniのレビュー・感想・評価

トラフィック(2000年製作の映画)
4.5
学生時代、アート系の友人に煽られ、うっかり映画館で観てしまった「セックスと嘘とビデオテープ」。帰りに寄った行きつけのカフェで、友人の語る難解な用語に思わずエスプレッソをお代わりしたのを覚えている。それ以来、私はソダーバーグ監督の作品から距離を置き、「イギリスから来た男」や「エリン ブロコビッチ」等親しみ易い作品すら観なかった。そんな私を振り向かせた作品がこれ。 国際的な麻薬組織と、その撲滅を図る判事らの熾烈な戦いを描く群像劇だが、スケールの大きな犯罪と細やかな日常が折り重なり、そして後半に両者が交錯する展開が素晴らしい。また、俳優陣の持ち味を活かした演技が魅せる。中でもキャサリン ゼタ=ジョーンズとマイケル ダグラスが良い。犯罪者も、それを取締る側にも良き家庭人の顔があり、そこに偽りは無い。そう思わせるオーラを、役柄を超えて発散させていた。当時の私生活が滲み出ていたのかな。
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