ジュリー・アンドリュースとカレン・カーペンターが私の二大歌姫。
2人とも基本の声がアルトで優しく暖かく、そして何処かおどけた歌声。(カレンの方は更に自虐的な哀愁と切なさがプラスされる)
冒頭の山で溌剌と歌うマリアが圧巻。主人公を出し惜しみする映画もあるが本作はいきなりヒロインの魅力を全面に押し出してくる。
そこからの厳かな讃美歌も上手い。
尼僧長と先輩尼僧たちもマリアに手を焼きながら彼女の人柄を愛している。
とにかく本作はジュリー・アンドリュースの魅力を堪能する為の映画。
メリー・ポピンズとサウンド・オブ・ミュージックはジュリーのキャラクター無しには成立しない。
【私のお気に入り】は元々私のお気に入りソングだが近年では京都のCMソングとして認知されている。
あのCMから入ってこの映画に辿り着いた人も少なからず居るんじゃないかな。
近頃の若者は長い映画を観られない人が多いらしいがそんなだと皆んなどんどんバカになるよ。
とっかかりは何でも良いからとにかく若者よ、この様な長い名作を見るのだ!
ジュリーの歌声は唯一無二。
これこそ天使の歌声なんだ。
ジュリーのもう一つの代表作メリー・ポピンズの【鳩に餌を】なんか何でか分からないけどひたすら泣ける。あれで泣かない人は感性が鈍化してるに違いない。彼女の歌声はアルプスの雪解け水の様に純粋で透明で慈愛に満ちている。
だから自分の疲れた心に沁みて泣けるのかもしれない。うん、きっとそうだ。
※長女役の役者さんが当時24歳で17歳役を演じるには無理がある。美女だから良いんだけど。
※舟から落ちてびしょ濡れになった子どもたちがその後歌うシーン、皆んな身体を拭いて着替えるの早すぎ。
※お父さん、子どもたちの歌声でソッコー理解ある父親になるのも早すぎ。
上記のツッコミどころ以外は全体的に大好きです。
あ、あとインターミッションが短過ぎて映画館で観た時はトイレの近くの席に座って前半終わるや否やトイレダッシュして戻ったのに既に少し後半が始まってたの悔しい。
ファミリー向けの楽しい美しい映画だけれどこの時代のヨーロッパが舞台の作品には必ずナチスの台頭が描かれるのよね。そこをあまり暗くなく、でも子どもたちにも分かる様に見せてくれるのも上手い。
それをベースに終盤の尼僧たちがトラップ一家を逃がす為に車をぶっ壊すシーンが本当に好き。
「私、懺悔しなくてはいけないことがあります」
「私もです…」
最高のシスターたちじゃないですか!
因みに休憩前の前半ラストのシーンで1番好きなのが風と共に去りぬ、なのだけどサウンド・オブ・ミュージックの前半のラストもかなり好き。多分音楽での盛り上げ方が上手いから自動的に感動するのね。←風と共に去りぬもだけど。
そう言えばカーテンから服を作るのも風と〜のオマージュかな?
大大大好きな映画だけれど☆4.9なのは同じジュリー・アンドリュースのメリー・ポピンズが☆5だからなのだ。