オオイタ

今年の恋のオオイタのレビュー・感想・評価

今年の恋(1962年製作の映画)
4.5
人間の可笑しさが詰まったロマンティック・コメディの傑作!多分、坂元裕二作品が好きな人はハマるはず!

若き日の田村正和(イケメンすぎる)が冒頭で複数の同級生から言い寄られて、「憂鬱なんだから話しかけないでくれよ」「うるさいんだよ」と返す。その下りを何度も繰り返す時点で面白すぎて、これは絶対好きな作品だと思った。すると最後はもっと好きになっていた。

本作で印象的な横移動のショットの多さは最初、狭い世界(上級生に殴られて家に帰って)から最終的に広い世界(東京から京都)へと変化していき、そこで徐々にわかる人間関係がどのキャストも魅力的すぎて飽きることなく楽しめる。

近年の映画で家族を描くとなると「家族という病」か「家族を用いた感動ポルノ」の極端なものが多く見受けられるが、本作のように「悪口も言うしめんどくさいけど、一緒に生活してるんだよねー」くらいのポップ家族像はとても好ましい。娘と父親が裏で互いのことを「あの人は頭がぱーだから」などと今では絶対言えない単語が平気で出てきて、劇場に笑いが溢れていた。
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