ゴリラ文房具

クロウ/飛翔伝説のゴリラ文房具のネタバレレビュー・内容・結末

クロウ/飛翔伝説(1994年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

バットマンに始まりダークマンやらダークヒーロー発展途上先の革命児。

ブレイドよりもこちらが先に生まれてたんですねぇ。

ある幸せだったハロウィンの日、エリックの愛する人は弄ばれ、玩具の様に壊された。
愛を語り合い共に一つになるはずだった女は、街の悪意に陵辱された挙句、物言わぬ血肉の人形と化した。
エリックもまた、自身の最期に愛する人の手に触れる事も、二度とその瞳に沈む事も叶わず、絶望と死の底に墜とされる。

それから1年後…。
暗雲が立ち込め人々の声と笑顔も覆い尽くす様に、激しく泣きじゃくる雨の日。
己の墓標の下にかつてのエリックが蘇った。

停止した筈の生命の刻に僅かに揺らぐ愛の残響を奏でる為、エリックは裁きし道化となる。

美しくも哀しく滾る、冥府に堕ちた優しい鴉の自らに捧ぐ鎮魂歌。
果てない悪意で汚れた街を幽かな希望で照らすべく、冥府より闇黒の奏者「クロウ」が舞う。

ハイパー中二心がくすぐられます。
ので中二っぽくしてみたり。

ブルース・リーの息子である、ブランドン・リーの遺作となってしまったのは惜しい限りです。

物語としては悪役が悪過ぎるせいかほぼ勧善懲悪でした(笑)。
ざっくりまとめるとチンピラ4人に奥さん共々殺された男エリックが、カラスの謎パワーによって蘇り、愛の為復讐の為に街の汚れ切った悪人共を、チンピラついでにぶっこ○ろすお話です。

黒を貴重にしたゴシックな画面がただただ美しいです。
悪役が本気で胸糞悪いせいか、ダークな雰囲気でエグい殺され方なのに物凄いスカっとします。

エリックのクロウになるシーンが良いです。
復活したばかりのエリックはかつての面影を残していて、まだ怯えたりしてるんですけども
クロウになってからは一気にキャラクターがダークヒーローに切り替わります。
もうこういうのホントに格好良いなと。

そこからは激しいブランドン・リーのクールなアクションと、鮮やかな復讐描写がスカッと爽やかでとにかく気持ち良いです。

出てくる子役の台詞が印象に残りました。
「エリックは違うわ、もう友達じゃない。私は生きてるから」

このシーンでああ、もうエリックは人間には戻れないんだねぇ…と哀しくなったり。

それと音楽が良いのです。
激しいけど哀愁が漂っていて、物悲しい感じで素敵なのです。

主演の遺作であり、色々と噂のある本作ですが
本編そのものは悪は死に、男のハードボイルドな憧れを的確に突いてくれる

男の子御用達の最高に魅力的なダークヒーロー物でした。