nanako

シビル・アクションのnanakoのネタバレレビュー・内容・結末

シビル・アクション(1999年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ジョン・トラボルタ主演の実話法廷映画です。
良い映画だと思いました。

トラボルタは弁護士、少数精鋭の事務所を持って、儲けています。
仕事なので儲けるのは正しい事ですが、被害者のレベル(老人か子供か、白人か黒人か等)によって高いか安いかという事が頭をめぐっているような、言えば仕事のできる人ですが、ちょっと人間らしい優しさとは遠い人でした。

子供を公害で亡くしたという集まりに、最初は弁護はできないと断りに行ったのに、ちょっと興味を持ち、環境問題で会社を訴えるため乗り出します。
最初は儲けられると思っていましたが、難航しそのうち意地で裁判を続ける事になります。どんどん勝ち負けだけじゃない、被害者の母親の気持ちに同調したのでしょう。

主人公は最後にわずかなお金しか手元に残りませんでしたが、凄く満足そうな顔をしていました。あの間はトラボルタの演技のうまさで見入ってしまいますね。見ている方はそのがんばりを一緒に目撃した仲間感覚ですから。

でもこの主人公、かなりのワンマンです。一緒に働くのはいやかなぁ。人が離れて行っても恨まず、信念を貫いたのは偉かったと思います。
私がびっくりしたのは、被害者の母親!
弁護士事務所で働く人たちはみな家を失ってまでがんばり尽くして、もうだめです・・・と言っているのに『子供を失った悲しみと比べ物になると思う?』って捨てゼリフ・・・・・。

それがきっかけで主人公は一人になってもやり遂げたのだし、その後の環境問題についての企業側の考え方を変えるようなきっかけになったのは確かですが、何の関係のない人が財産を失ってまでがんばっているのに、そんな言い方ないんじゃないかなぁ。ちょっと悲しくなりました。
その人達にだって子供がいるのかも知れないし、なにより被害者のために人間らしい生活を奪われる事はないんじゃないかなと。

もちろん、誰かが動かなければ何も変わりませんし、動いてもらえたら凄くありがたいと思いますが、私だったらそこまで言えるかどうか・・・。
日本人とアメリカ人の国民性の違いかも知れませんね。

トラボルタが格好いいです。でも、生活が脅かされない立場から応援してるのが一番かな・・・・・。
nanako

nanako