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世界大戦争のmitakosamaのレビュー・感想・評価

世界大戦争(1961年製作の映画)
3.7
主演がフランキー堺。コメディ俳優なのに、何処か憂いがある役回りは彼の真骨頂ですな。
戦争に翻弄される市井の市民といえば、やっぱり「私は貝になりたい」を思い出すね。たぶんキャスティングで意識はしたんでしょうが。
市民にとって平和に見えて、知らないところで戦争の影が忍び寄る、気がつけば平和の均衡が破られ世界が破滅に向かう。
本作は東西冷戦時代を反映しているが、今の時代にも通じる、というかいつの時代にも通じる平和の脆弱さをよく表してるなあと思う。
そして軍事描写の俗悪さ。一度火がつけば止めることができない恐ろしさ。嫌世的で絶望感漂う、世界中で核戦争が起こるラスト。
太平洋戦争、第二次大戦から15年、平和の尊さを皮肉まみれにこれでもかと訴える、
正攻法な怪作とでも言うべき映画。
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