KEKEKE

エリ・エリ・レマ・サバクタニのKEKEKEのレビュー・感想・評価

5.0
- まじやべー良すぎ、今年見た邦画ん中でダントツベストだ
- 真っ白な浅野忠信と真っ黒な宮崎あおい
- キリストとアンチキリスト
- ウイルスが人間を一掃した大地はかくも美しい
- "光"をこんなまじまじと見せられちゃうと、頼むから俺のことも見捨てないでくれって叫びたくなっちゃう

- てか宗教とかウイルスとか糞ほどどうでもよくて、要するにこの世界で僕たちが生きる意味なんてそもそも用意されてなかったってことなんですよ
- この作品はウイルスが希死念慮を媒介する世界を創造したけれど、そうまでして監督が問いかけたのは、みんななんで生きたいの?ってことなんだ
- 死にたくなるウイルスが人を殺しているのか、それとも端から生きる意味なんてみんな持ってなかったのか
- 作中で浅井忠信が言うように、死にたいのは本当に病気のせいなのか?その差異は生きたいと思えるか否かにある
- 教義を一切知らないし勘違いかもしれないけど、初めてキリストの教えが少しわかった気がする 生きることって既に信仰なんだって

- 生きる意味などなく、それは何かを信じる続けることでしかない
- 例えば恋人、家族、仕事、芸術
- 生きるために信仰するのではく、生きることそのものが信仰なんだ
- でも信仰が無ければ真っ直ぐ死ねるのか、否純粋な者ほど死ぬのは怖い
- 生きたいと思えない人間が死に対して抱く恐怖は自分の手を汚すことでだんだん薄れていってしまうのだろう
- 世界が醜く見るに耐えないならば目を覆ってしまえばいい、見えることで死んでしまうくらいなら見なければいい
- そのとき聴こえてくる音楽が、今日も生きてみようと思わせてくれるかもしれない
- 生きることって前衛なんだよ

- 何故か出てる筒井康隆も中原昌也も演技が素人なのが寧ろ良い
- このときの浅野忠信と特に宮崎あおい、マジで無敵って感じする比喩とかではなく実際にキラキラが見える
- 神は2人だけを見捨てなかった
- 冒頭"音"で心を掴んできて、さらにその音が終盤の演奏に通底する音色になる演出凄すぎる
- つまり浅野忠信と中原昌也の2人が鳴らすノイズの底に流れているのは世界が奏でる美しさと過酷さそのもので、それに気づかせてしまうのが彼らのパワー
- 良すぎ、あー良すぎ

- 気になったのは探偵が何で死んだのか、所詮俺なんかが1番近いのはこの映画の中だと彼だから
- 彼は風呂ん中でさえ被ってたハットに象徴されるようにしょーもないプライドに囚われていて、それが仕事自体だったから任務の遂行と同時に死んだのかしら、細事に絡め取られて往生できないのってレザボアドッグスのブシェミみたいだね
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