Rita

ユメ十夜のRitaのレビュー・感想・評価

ユメ十夜(2007年製作の映画)
2.3
こんな夢を見た。

10人の監督がオムニバス形式で夏目漱石の「夢十夜」を映像化。幻想的で不思議な夢の世界。脈絡のない会話が続く。所詮は夢ですからね。

原作では一、三夜が好きなのですが、本作でもやはり面白く見れたのは一と三夜でした。

第一夜
家の外には観覧車。「日が出るでしょう。それから日が沈むでしょう。赤い日が東から西へ、東から西へと落ちて行くうちに、あなた、待っていられますか」と女が云う。この言葉が一番好きです。

第三夜
いつの間にか眼が潰れたという青坊主。たしかに自分の子である。夏目漱石が「夢十夜」を出版した二年後、"七番目の子として生まれたひな子は、一歳を迎へた時に急死している。その原因は今も不明のま丶である。"

第六夜は支離滅裂すぎて好きとはいえないけれど、パソコンに打った文字と英語訳を映すセンスがいい。阿部サダヲのビートたけしのモノマネ、ひとりジャンケン、あの謎のロボットダンスも面白かったしオチにあのおっさんの夢なんかい。

原作を読んだ後に観るとそれぞれの監督から見た「夢十夜」の解釈の違いに気づけて個性があって良かった。とてもつまらない作品もあれば面白い作品も、現代の色に描いかれているものもある。ですが、「夢十夜」は小説のままが良いですね。映像化には無理があったのではないかと思う。
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