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緑の光線のfleurのレビュー・感想・評価

緑の光線(1986年製作の映画)
5.0
周りがバカンスに浮かれるなかひとりぼっちで孤独感を感じるデルフィーヌ。誘われるままに友人家族宅にお邪魔するも、友人とその恋人を見て肩身の狭い思いをしたり、一人で山に来たかと思えば急に帰りたくなったり、彼女の複雑な心境が浮かれた周りとコントラストになり浮き彫りになっていました。振られて傷心気味でも周りは親切にしてくれるし、環境に対しての不満はなくとも、どこか孤独を感じて悲しくなってしまう彼女は見ていて分かるな、と感じました。
デルフィーヌはどこか神経質で繊細で、恐らくひとりに慣れていないタイプ。自分とは異なる部分も多いけれど、共感する部分も多く、後半の緑の光線を求める様は何かに縋りたくなるよなぁ、と彼女の心情に入り込みました。
今まで観たロメール作品のなかで一番ぐっときました。
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