Arima

マッドマックスのArimaのレビュー・感想・評価

マッドマックス(1979年製作の映画)
4.5
突如始まるマッドマックスマラソン。
一作目に当たる今作観たら辞められない止まらない。
暴力とスピードの坩堝に引き摺り込まれちまっただろうが!

しかし何ですかこの疾走感。
アスファルトの細かい隆起が車道を埋め尽くす無数の直線となり、高音を立てながら転がるタイヤに乗っかる鉄の塊はあまりの速さに質量を完全に失ってしまっている。

この先では疾走者どちらかの破滅が確実に待っている事を知りながら、我々はその過程を傍観するのではなく、アスファルトギリギリに頭を押さえ付けられながら目撃者にならなければならないのだ。

カーチェイスの成否、オモロイかそうでないか別けるものとは何なのだろうか。
尺の長さ?ギミックの量?台数?火薬の量?役者の真実味?予想外の結末?
いいや、違うね。
スピード感、それだけでいい。

登場人物のキャラクターも背景は浅いが記憶に残るし、愛着すら沸くのはなぜなのか。外観による個性付けの大切さが良く理解出来る。

個人的には完全にループ推し。
緩い体型、おかっぱ頭、職務怠慢、自信過剰の自己中、それでも仲間の悲劇には体全体で憤りを表現する。
こいつが警官になっているというのが作品の世界観の構築に貢献してると思うし、まあ、単純に自分に似てるから好きなのかも。

1つだけ文句言ってもよろしいか?
森で大変な事があったらしい、って奥さんと老婆残して森にダッシュして行った時はさすがに「いやいやいや...」と思いましたよ、マックスさん。
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