午前十時の映画祭
一昨年見たイングリッシュペイシェントに出ていた女優のジュリエット・ビノシュが主演。
2023年のラインナップが出た時から気になっていた作品。
赤いマントを被り、北風と共に街から街へチョコレートを売りながら移り住む母娘。それは主人公のヴィアンヌの母一族から受け継いだ暮らし方。
フランスのある閉鎖的な慣習のある村に引っ越してきた所から物語は始まる。皆村のしきたりと村長や他人の目に縛られ生きている。そんな村民の心をヴィアンヌのチョコレートが癒し変えていく物語。家庭内暴力に苦しむ女性、娘と問題を抱え孫と会えない老婆、数十年前に夫を失った女性に思いを寄せる老夫、そして川族の男性に最後は村長まで。大切な事は受け入れることだと気づかせてくれた。
ルーがチョコレートを受け取る度頑なに好みではないと言い、最後にホットチョコレートを飲んで当たりだと言ったこと。そういうリンクするようなセリフ大好物です。
1番最後まで縛られていたのはヴィアンヌの心で、母親から受け継いだ移り住む生活を辞められなかった。娘がこの生活を嫌がっていることには気づかない振りをしていた。最後母親の壺に入っていた灰を空に撒いたことで、撒いた灰(=縛られていた心)が北風に乗ってどこかへ飛んでいき、心の自由を手に入れこの街で生きていくことを決めんだと思った。演出がとても素敵。
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