ノリオ

アイ・カム・ウィズ・ザ・レインのノリオのレビュー・感想・評価

2.4
皮膚に貼り付く汗と血。
日米韓の三大スターを使ってトラン・アン・ユンは壮大な実験を行ったのだろうか?

失踪した男、シタオを捜索する探偵の物語という表層のアウトラインはそれほど意味はないように思える。
クラインの過去と現在、そして抱えている傷。
そのクラインがどんな傷をも肩代わりする男、シタオを捜すということに意味があるのである。

ウジ虫にまみれ、傷だらけになっているキムタクを日本の映画で見ることはまずありえないだろう。海外の作品ならオッケーというところに若干の疑問を抱かざるをえないが、それでもこのキムタクは貴重であろう。

余分な台詞を極力まで削ぎ落とし、人間と人間の距離感に徹底的にこだわったカメラワークは時に美しく、時に醜悪さを切り取っている。
傷だらけになったシタオをクラインは、そんな彼にすら救いを求めるのだろうか?
ノリオ

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