nada

喜劇 女は度胸のnadaのレビュー・感想・評価

喜劇 女は度胸(1969年製作の映画)
5.0
セックスワーカーの権利、シスターフッド、有害な男性性といった今日的主題を余裕で先取りし、どこまでもクリティカルに、そしてどこまでも前向きに提示する。
「勘違い」と「ごまかし」から生まれる「ズレ」によって映画が駆動するという運動性は、その後の森崎作品にも強かに貫かれてゆく。登場人物たちが「ごまかし」の構造に生きることを止め、「ほんとう」の言葉を話しはじめたとき、真に人間的な関係を結びはじめるだろう。森崎東を語る際によく使われる「変容」とは、人間そのものの可塑性と読みかえるべきだ。人間が生きなおすとはどういうことか。森崎東の映画は、この問いを私たちに差し向ける。
nada

nada