大学生の時以来の視聴。
完璧。当時の人物、道具、空気、時代が再現されているかのような錯覚に眩暈がする。ほとんどドキュメンタリーと見間違えてしまう完全なフィクション。凄すぎる。
久しぶりの視聴。
黒沢清で一番好きな作品はこれかもしれない。「投げること」と「引き摺られること」の反復。
ひとつの画面の中で様々な動きとドラマを走らせる。イオセリアーニのように。
田中泯のイメージビデオ。彼のナルシシズムがダダ漏れ。路上でのゲリラ撮影はちょっと面白かった。
『HAPPYEND』(空音央)。素朴な疑問がいくつか浮かぶ。なぜこれを「近未来」というSF的な設定にしたのか。なぜ権力側とそれに抗議する側を度が過ぎるほど「書割」的に描いてしまうのか。
『HAPPYE>>続きを読む
誰と誰がどういう経緯で戦っているのかも具体的なポリティクスも描かれないという意味で「セカイ系」なのであり、しかしそれ自体に批評性があるとも思えず、むしろそういう設定を選択してしまう作り手の蒙昧さに不快>>続きを読む
やっぱり黒沢清は人間を──ひとりひとりの人間の「個」性を描くことに全く興味がないんだろうなと再認識した。
なるほどたしかにジャンルムーヴィに回帰した感はあり、久しぶりに「面白さ」に全振りした作品かもし>>続きを読む
脱ぎ捨てた男の服を連れ合いの女が片付け、畳み、着替えを用意するという動作が何度も反復される。着替えも一人でしようとしない男は、娘の結婚を認める終盤になって、ようやく一人で服を着替えるに至る。偉そうで甘>>続きを読む
脱ぎ捨てた男の服を連れ合いの女が片付け、畳み、着替えを用意するという動作が何度も反復される。着替えも一人でしようとしない男は、娘の結婚を認める終盤になって、ようやく一人で服を着替えるに至る。偉そうで甘>>続きを読む
付け忘れ。
映画史史上もっとも優れた遺作はこれだと思う。
『秋刀魚の味』の岩下志麻の顛末は、『麥秋』の原節子と比較してみれば、間に合わなかったことの残酷さがよりいっそう際立つだろう。
付け忘れ。
映画史史上もっとも優れた遺作はこれだと思う。
『秋刀魚の味』の岩下志麻の顛末は、『麥秋』の原節子と比較してみれば、間に合わなかったことの残酷さがよりいっそう際立つだろう。
シリーズでいちばん(というより唯一と言うべきか。)面白かった。池松壮亮演じる敵役の個性と強さが作品の対立軸(孤独と友情、単独者とチーム、生き甲斐と労働などなど)を際立たせ、豊かなものにしている。諸々の>>続きを読む
今年もファスビンダーを見られる歓び。
『自由の暴力』(旧邦題『自由の代償』)
宝くじが当たって成金になったゲイが、裏切られ、見ぐるみ剥がされ、野垂れ死ぬまでを冷徹に描く。この救いのなさ。常軌を逸した陰>>続きを読む
点数付け忘れ。
むしろ敵側に感情移入してしまうかも。そういう意味でも労働者同士の殺し合い。本当の「敵」=システムへの意識が皆無なのが痛々しい。
びっくりするくらい非倫理的なロマンスだった。ある意味では『容疑者Xの献身』くらい踏み外した倫理観の欠如で成立している作品。