ラストは二つのヴァージョンが存在しているようで、今回の上映で両ヴァージョンを観賞出来た。
①主人公(の一人と言った方が正確だろう)が、脱獄してきた末に殺人を犯してしまった仲間に殺され、その男もまた警>>続きを読む
革命運動の影を抉り出すような映画。
作品内の時代は1914年ごろだったはず。
革命に従事するため町を飛び出してきた連中が次々と命を落としていく。酒場でのロシアンルーレットのような肝試し的な銃遊びの果て>>続きを読む
手慣れた様子でカマクラを作るところなどが特に面白い。氷を嵌め込んで窓をつくり、その氷の窓にレフ板がわりの雪のブロックをあてて光を入れるというのも面白かった。アザラシやセイウチの狩猟、屠殺シーンも含め、>>続きを読む
失業し、求職もうまくいかず、博打にも負け、社会的な救済制度も拒否してしまった夫婦の物語。あらためて見ても、現代日本でアンダークラスを生きる私としては、この男女に起こることすべてが身につまされる。やるこ>>続きを読む
付け忘れ。同じ時期に見た『アンカット・ダイヤモンド』と並んで年間ワースト級のつまらなさ。
リバイバルでかかっていたので久しぶり見る。IMAXで上映する意味は全くないが……。
しっかりと面白かったし、ほろりと泣かされた。パリ、五島列島、韓国、東京という空間の移動も楽しいし、視覚的にも贅沢。
映画を見にきていたジュリアン・ムーアとティルダ・スウィントンがロビーで話していると、いつの間にか映画館から自宅に空間が変化しているのには驚いた。
石川義正さんの名著『存在論的中絶』を思いながら見た。>>続きを読む
このラストショットはカウリスマキの『枯れ葉』のようだ、とアナクロニックな思いに耽った。
逃走と闘争の系譜。自由は与えられるのではなく創り出すものである。ユーモアと勇気。
ど傑作。宮藤官九郎も、やるんならこのくらいの精度と運動神経で社会問題をコメディー化してくれ。
一見するとウーマン・リブや環境保護活動の市民運動と家父長制との対立構図が強調されているように見えるのだが>>続きを読む
メガネ姿のフランキー堺のルックが私すぎて落ち着かなかった。(ちなみに、この時のフランキー堺は春とヒコーキのぐんぴぃさんに似ている。)
期待したほどの満足感はなかった。映像としてのごちゃごちゃ感ではなく、話や構造のごちゃごちゃ感ゆえに、あまり盛り上がらない。ルノアールのなかではいまいちの部類だと思う。
久しぶりに見たら涙が溢れた。90年代にぎりぎりありえた交流に郷愁が止まらないのだが、そんなことよりも、いま現在これほどまでに人間への尊厳に満ちた映画がどれだけあるのか。子供たちが、一人の人間の過去と死>>続きを読む
久しぶりに見たら涙が溢れた。90年代にはぎりぎりありえたご近所さんとの交流に郷愁が止まらないのだが、そんなことよりも、現在これほどまでに人間への尊厳に満ちた映画がどれだけあるのか。子供たちが、一人の人>>続きを読む
祝、リマスター版ということで映画館で堪能。改めて見ても、90年代を代表する一本であり、相米の最高傑作の一つ。
面白かったけど、そこまで大騒ぎするような作品か? 説明的な回想が多すぎる気がする。
ニコラス・ホルトは林遣都に似ていた。
企画というか構成そのものに疑問がある。一本の映画作品としての体を成していない。星野アイ死後のエピソードを配信ドラマで処理しているため、あのちゃんさんの出番が少なすぎる! たぶん計5分も映ってなかったん>>続きを読む
憂鬱な話だった。犬とロボットの関係の変化を描きたいがために、無理に辛い展開にさせているかのように感じてしまって、ちょっと乗れなかったな。
なんて透明な映画だろう。暴力を享楽的に描くことなく、直接的なセックスシーンも一切ない。関係としてのエロスだけが漂っている。役者の表情が心理的すぎるという批判もあろうが、ラストショットなども含め巧妙に両>>続きを読む
ある時期からの(濱口竜介以降?)日本映画の流れに棹さす一作。設定に戦争もしくは再軍備化が示されているが、それを正面から扱うわけでもない。そうした問題に触れながらも、対決することを逃げているような作風に>>続きを読む
赤い帽子が移動する映画。
上手いと感心すると同時に、作り手の欺瞞というか狡さを感じる作品。
連れ合いを亡くした主人公が、五年前にかの女と出会ったリゾートホテルに泊まり、かの女との思い出を辿り直し、>>続きを読む