ローズまりぃ

チェンジリングのローズまりぃのネタバレレビュー・内容・結末

チェンジリング(1979年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

515本目。
おぉ、ホラーだと思ってなかったから当たりだった。元々配信終了間近で観ようと思ってた作品だけどまた終わる詐欺だった。プチホラーって感じ。基本的にワッって驚かされる系じゃなくてポルターガイスト系。それでも車椅子の迫力はびっくりする。
後はやっぱりタイトルの意味も怖い。英語得意じゃないから特にそう言うことかってゾワってした。


〔アメリカ・ニューヨーク州北部 11月27日〕
旅行帰りのラッセル一家の車は雪に困っていた。積雪で車が立ち往生してしまい一家3人で押したものの埒が明かない。仕方がなく夫・ジョンは近くの公衆電話へ向かいロード・サービスの手配を頼んだ。その間妻のジョアンナと娘のキャシーは車の横で雪合戦を始める。その時トラックがわき道から出てきた乗用車を避けて立ち往生しているジョンの車に突っ込む。トラックは車と共に妻子を巻き込んだ。それをジョンは公衆電話ボックスの中でなす術もなく見つめるしかなかった。
〔アメリカ・ワシントン州、シアトル 3月4日〕
4か月が経過した。妻子を一度に亡くしたジョン・ラッセルは自宅に戻るのがつらくホテル住まいをしていた。ホテルの守衛も知っており「何でもお手伝いしますから」と声をかけてくれる。ジョンは作曲家であり大学で講義をする大学教授でもあった。友人の教授に誘われたジョンはニューヨークを離れてシアトルに移り住むことを決意。とはいってもジョンは作曲家なので集合住宅などに住むわけにもいかない。作曲をする際にピアノを使うため騒音になるからだ。友人の教授もそれを心得ており「家を紹介するよ」と言う。シアトルでジョンを出迎えたのはクレア・ノーマンという若い女性で歴史保存協会の職員。クレアは12年ほど前から無人の協会が管理している広い屋敷をジョンに案内した。本来は博物館にする予定だったのだがその計画が頓挫しそのままになっている。管理人のタトルという老人も屋敷にはついていた。その屋敷はチェスマン邸と呼ばれており広い庭と広大な敷地面積を誇る豪華な屋敷。博物館になる予定だったというのも納得の広さ。ジョンはそこにある広々とした音楽室と骨董品級のグランドピアノを気に入る。ジョンは早速ピアノに向かうがひとつだけ鳴らない鍵盤があった。しかしジョンが立ち去るとその鍵盤が見えない何かに押されて音を響かせる。
大学で講義を開いたジョンは受講生が鈴なりなのを見て驚いた。登録者数は23名のはずなのだがおおぜいの聴講者が来ているのはそれだけジョンが実力のある作曲家だから。慈善音楽会のパーティーでジョンはクレアと再会した。クレアは母を連れている。そのパーティーでは上院議員のカーマイケル氏がスピーチをしていた。協会にも多額の寄付をしているそう。クレアはジョンに協会あてに届いたものを後日屋敷へ持って行くと言った。朝6時。屋敷を揺るがすようなゴーン、ゴーンという音が30秒ほど続きぴたりと止む。ジョンはその音に驚いて目を覚ました。昼間ジョンが作曲をしていると背後のドアが勝手に開く。来客がいるのかとジョンは思うが管理人のタトルは否定。クレアが屋敷を訪問する。クレアはこの屋敷のどこかに飾ってあったという屋敷の版画を持ってきた。クレアの服装が乗馬用のものだったのでジョンも気晴らしに乗馬に同行した。しかし森の中でふと娘のキャシーを思い出してしまいジョンは切ない気持ちになった。
翌日。朝6時にまた大きな音がする。天井裏のパイプの異常かなにかだと考えたジョンは修理工に見てもらうが異常はなかった。生徒たちを屋敷に招き指導をして帰した後ジョンは洗面所の蛇口が開いて水が流れっぱなしということに気付く。蛇口を止めてもまだ階上で物音がした。ジョンは気になって上の階へ行く。すると一番奥の部屋でバスタブに水が流れ込んでいた。たまっていた水に少年の顔が映し出されジョンは驚く。屋敷になにかいわくがあるのではないかと考えたジョンは歴史保存協会の事務所へ行きクレアに相談をする。クレアは心当たりがないと言うがクレアが中座した際に事務員の老女ミニー・ハクスリーが「人が住めない家です。家が人を拒むんです」と何か事情を知っている口ぶりの発言をした。ミニーはジョンが住んでいる賃貸契約の再検討をしている最中だとも告げた。さらに別の日。ジョンが家を出ると屋根裏にあるステンドグラスの赤いガラスが内側から割れジョンの近くに落ちてきた。気になったジョンがそこへ行くが入り口はない。仔細にチェックしていると棚の後ろにドアが隠されていた。ジョンは棚をどけ隠し部屋に入る。その部屋は長年人が立ち入っておらずクモの巣とホコリだらけ。子ども用の小さな車椅子や机が置かれている。机の上には「C.S.B. 1909年1月4日」と書かれたノートとオルゴールがあった。オルゴールを聞いたジョンはこのメロディが先日自分が唐突に思いついたものであることに気付く。クレアを呼んでオルゴールとテープ(自分が作曲した時に弾いたピアノのメロディ)を聞かせてみたがクレアは「この屋敷には1920年から何も異常は起きていない」と答えた。ジョンは屋敷が自分に何かを訴えているのだと確信しておりクレアの望むまま屋根裏部屋へ連れていく。
クレアも調査する気になった。調べた結果屋敷の前の持ち主は建築家のサラシーノ氏で1965年に購入したものの67年に売却し同年11月に保存協会が購入していた。購入にはカーマイケル財団の寄付が充てられている。カーマイケルとは上院議員。ジョンとクレアの調査では1920年以前の情報は皆無だった。それを話していると歴史保存協会の事務員・ミニーが「バーナード氏よ。息子と娘が1人ずついた。何か事故があって1909年に屋敷を売っている」とすらすらと答える。ミニーの情報を得たジョンとクレアは図書館で過去の新聞記事を調べた。するとミニーの情報は本当でその屋敷には当時医師であるバーナード氏が住んでいたがその娘・コーラが家の前でトラックに撥ねられて7歳で亡くなっていた。「コーラ・バーナード」を略すと「C.S.B」となりなるほどとジョンは納得した。ブルックフィールドにある墓地を訪れたジョンは否が応でもわが娘・キャシーの死のことを思い出してしまう。キャシーと同じだと嘆くジョンにクレアは家を出ることを勧めた。但し不可解なのはジョンが見た「バスタブの底に沈む顔は少年のもの(少女ではない)」ということ。帰宅してジョンが夜にアルバムを見ていると上階から娘の形見のボールが落ちてきた。そのボールはきちんと蓋つきの箱に入れておいたものだ。ボールを見るとキャシーを思い出してしまうのでジョンは遠くの川にわざわざ捨てにいった。ところが帰宅するとジョンの帰りを待っていたかのように階段からボールが落ちてきてジョンはぞっとする。大学の同僚に相談したジョンは「霊媒師に頼めばいい」とアドバイスされた。霊媒師と呼ばれるものの99%は怪しい輩だが残りの1%は本物で驚くべきことを引き出してくれるとペンバートン教授は言いジョンに霊媒師を紹介してくれる。
ジョンはクレアとクレアの母を招き霊媒師夫妻を迎えた。霊媒師夫妻には何も告げていなかったが妻の方は何かを感じ取っていたようで屋敷へ入るとすぐ屋根裏へ続く階段を凝視する。円卓に向かって5人は座りまずは霊媒師夫妻が筆談を開始。夫が霊に質問し妻がスケッチブックに筆を走らせる自動筆記。その結果霊はコーラという少女ではなくジョセフという少年だと判明した。続いて今度は部屋を暗くし降霊会を行なう。金属の円錐のオブジェとワイングラスを置いて霊に呼びかけると金属のオブジェがワイングラスを割り屋根裏の扉が乱暴に閉まる。一部始終を録音したがジョンは戸惑うばかり。この霊媒師夫妻の真の実力がジョンに分かるのは霊媒師夫妻とクレア母子を帰した翌朝。時間も経過し少し落ち着いたジョンは録音したテープを聞き直してみた。すると本当に少年の声が入っていたのだ。少年は「僕の部屋、歩けない、父さん、僕の部屋」と繰り返していた。ついジョンが質問するとそれに少年の声が答える。セイクレッド・ハート、僕のメダル…その声を聞くうちにジョンの脳裏に映像が浮かんでくる。屋根裏部屋のバスタブで少年が溺死させられるというものだ。(朝6時に30秒だけ聞こえる巨大な音はブリキのバスタブを少年が叩く音だった)「死体、牧場、井戸」「ジョセフ・カーマイケル」という言葉を最後に声は終わった。ジョンは驚いてクレアを電話で呼び出すがあまりにも心的ダメージが大きく電話を切るとぶっ倒れる。駆け付けたクレアも同じ音声を聞いて思わず涙ぐんだ。そしてセイクレッド・ハートという孤児院があったと言い孤児がそこから引き取られ死んだ本当の子どもと入れ替えられたのではないかと指摘。(映画のタイトル『チェンジリング』=『取り替え子』という意味)
話をしていたクレアは階段の上を見た。つられてジョンも見ると屋根裏にあった車椅子が意思を持つかのようにそこにある。カーマイケルというとあの上院議員がまさしくそう。ジョセフ・カーマイケルと言い議員の父はリチャードと言う。ジョンとクレアが調べるとカーマイケル家のジョセフは3歳の時に委縮性関節炎を患い足を悪くしており6歳の時治療の名目でスイスへ送られていた。その後第一次世界大戦などもありアメリカへ戻ってきたのは18歳の時。おそらく取り替えは6歳の時になされたのだろう。なぜ実子殺しをしたのかその動機についても明らかになる。父・リチャードはスペンサー財閥の娘と結婚しあいだにできたのがジョセフ。妻は1900年に他界していた。スペンサー財閥の財産は夫であるリチャードに継がれてもよいのだが妻の父はリチャードに信頼を置いておらず孫であるジョセフに遺産を相続するよう手配し1905年に亡くなる。後見人という立場の父・リチャードは実子のジョセフの身体が弱く成人までもたない可能性もみていた。その場合には財閥の遺産はすべて慈善事業に回されることに。金を得るために息子を成人まで生かす必要がありそのために取り替えをおこなったのではないかとジョンとクレアは読み解いた。調査するとリチャードは井戸のある牧場を所持していたことがあった。そこへ訪ねていくと現在はグレイ夫人が住む一戸建てになっている。ジョンが事情を話すとグレイ夫人はすぐにそれを信じた。というのも降霊会のあった日娘のリンダが「痩せた少年が苦しむ幻影を見た」と言い深夜に悲鳴を上げたから。以後3日間娘のリンダの部屋は怖くて寝られないと放置されていた。
ジョンとクレイはグレイ夫人の息子の協力も得て床板を剥がす。すると井戸があり井戸を掘ると手の骨が出てきた。ジョンはすぐに警察に通報した。白骨死体が見つかったものの約50年前(厳密には70年前)のものということで警察は捜査に消極的。ジョンはなぜ掘り返したのかと聞かれるが知らない振りを通した。中途半端に答えると上院議員であるジョセフにもみ消される可能性があり決定的な証拠を探す方が先決だと考えたのだ。深夜再び井戸におりたジョンはそこにメダルを見つけた。「1900年9月8日洗礼 ジョセフ・カーマイケル」という刻印がなされたメダル。空港でプライベートジェット機に乗り込む議員に直接アタックしたジョンだがすげなく追い払われた。議員はデ・ウィット警部に連絡を取りジョンをなんとかしてくれと言う。ジョンが帰宅すると家の中が怒っていた。ドアがバンバンと乱暴に開閉する。ジョンもキレており「何をしてほしい! もうこれ以上のことはできん!」と怒り返した。(ジョンもポルターガイストに慣れてきた様子)すると音はやんだ。しばらくするとデ・ウィット警部がジョンの元を訪問し空港で騒ぎを起こしたことや人家の床を掘って骨を発見したことを挙げる。デ・ウィット警部はジョンが議員をゆすろうとしているだろうと言いジョンは否定するがデ・ウィット警部は決めつけている。クレアがやってきてデ・ウィット警部は入れちがいに帰った。クレアは圧力がかかったようで歴史保存協会を辞めさせられたと憤っている。「協会を訴えてやる!」と言いながらクレアも帰っていった。直後ジョンが洗面所で鏡を見ていると鏡が割れて先ほどのデ・ウィット警部の死に顔が見える。クレアから電話がかかってきて「いま公衆電話からかけている。通りがかりに交通事故を見た。車を運転している警部が死んでいる」と言った。遊説から戻った議員は警部の死を知りジョンと会うことを決める。
ジョンは議員の元を訪れ自分の仮説を話した。その後で「ゆする気などない」と言い証拠のメダルや録音テープなど一切を議員の元へ置いて去る。クレアはジョンのことが心配で再び屋敷を訪れた。すると車椅子が追いかけてくるのでクレアは驚く。ジョンが帰って来るとクレアに車へ避難するようにと言った。シャンデリアは揺れドアや柱は軋みいまや屋敷全体が怒っている。屋敷の階段の手すりに火がつくと炎が走り屋敷に火がつく。ジョンは落下するシャンデリアをかわすと外へ逃げ出したが屋敷は全焼する。
同じ頃議員はメダルを手にし幻影を見ていた。チェスマン邸の階段をのぼっていき(これはジョンも同じ幻影を見ている)炎に包まれた議員は実際には自宅の書斎で心臓発作で倒れる。屋敷は土台を残しすべて焼け落ちた。それでも焼け跡にはあの車椅子が主のように佇みそのそばでは焼け焦げたオルゴールのふたが開きメロディを奏でている。
ローズまりぃ

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