いちごだいふくもち

チェンジリングのいちごだいふくもちのネタバレレビュー・内容・結末

チェンジリング(1979年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

冒頭でいきなり、主人公の作曲家ジョン・ラッセルの妻子が交通事故で亡くなるシーンから始まるのですが、いきなりすぎてショックやら悲しいやらの複雑な感情からのスタートです。悲しみにふけるジョンが悲しみを紛らわすために巨大な古屋敷に引っ越してから、幽霊との不思議で面白い関係が始まるのです。

毎朝6時に鳴り響く異音、突如流れる水、次第に何かを訴える霊、それは妻子を失ったジョンだから選ばれたのでしょうか?映画の中で霊が頻繁にメッセージを送るのですが、ジョンの悲しい心境のまま、霊と接していくので、怖さは感じられず不思議な感覚を受けます。ホラー映画では珍しく、主人公ジョンが霊にあっても怖がらず冷静なのです。

本作は、まず霊と言う存在は示しても、霊を映像化を全くしていないのです。声やモノが動くなど古典的に怖がらせる手法です。そのおかげか、ホラーというイメージよりもミステリー作品を観ている感覚にもなります。そして音響や視覚効果が見事に使われています。おそらく、この作品に影響受けたホラー映画はたくさんあるのでしょう。

隠された屋根裏部屋を見つけてからは、一気にそのミステリー展開が加速します。レコーダーに録音された子供の幽霊の声をヒントに、どんどんジョンが謎を解いていくのですが、物語が進むにつれ、次第に幽霊の存在と悲しき過去が明らかになる様子は、良質な推理映画を観ているような感覚さえ覚えます。

明らかになった過去、しかし幽霊の訴え(うらみ)を、達成させることができず、ジョンが思わず幽霊に対し「うるさい!やることはやったんだ!」と叫ぶシーンがとても印象的でした。しかし、ジョンは諦めず必死に事件を追い続けるんです!思わずがんばれって応援したくなります。

かなり久しぶりに観賞したのですが(謎の部分はすっかり忘れてました)、今観ても見ごたえ十分で面白いと思いました。怖さもほとんど無いのでホラー嫌いでも問題なく鑑賞できる作品ですね。