1922年のダブリンで、恋人のために賞金首をかけられた友人を売って20ポンドを得る貧民街の男の話で、冒頭にユダの話が出てきて裏切りの話ってことを暗示する(原題”the informer”は「密告者」)。
ジポを演ずるビクター・マクラレンが台詞回しは大味なんだけど、もうとにかく粗野でどうしょうもなくて一夜にして浴びるほどの酒を飲んで暴れる迫力に圧倒される。
彼を愛するケイティの美しさが対照的で、愚かな彼を救うために命を投げ出そうとするあたり泣ける。
ラストのフランキーの母親がマリア様みたく見えるのは、人間は愚か者を含めて全てに救いがあるってことだね。