Jeffrey

双旗鎮刀客のJeffreyのレビュー・感想・評価

双旗鎮刀客(1990年製作の映画)
3.5
「双旗鎮刀客」

冒頭、ここは砂漠の村。夕日に照らされ少年剣士が現る。壮絶な戦い。伝説の物語、村を支配するヤクザの兄弟、食堂の中の強姦、赤と黄色の二つの旗、惹かれ合う二人。今、敵との闘いが始まる…本作は中国版「七人の侍」と宣伝文句が当時なされ、日本人のー部でコアなファンがいるほどの猛烈中国西部劇(ウェスタン)で、フー・ピン監督が一九九〇年に製作したスペクタクルムービーである。この度VHSを購入して初鑑賞したが面白い。ゆうばり国際冒険ファンタスティック映画祭ではグランプリを受賞し、金鶏賞最優秀美術賞にも輝いた作品である。

さて、物語は少年剣士ハイコーは、父親の遺言により、許婚者と師となるその父を訪ねるため、双旗鎮へと向かっていた。双旗鎮は砂漠の村で、赤と黄色の二つの旗を高く上げているところからその名がついた。ハイコーは、双旗鎮に着いてすぐ許婚者ハオメイとその父に会うことができた。彼は彼女の旅篭に住み込みで働き、二人は次第に惹かれ合う。ある日、村を支配するやくざ者の弟、アルイエにハオメイが襲われそうになり、ハイコーはアルイエを斬ってしまう。兄のイータオシェンと決闘するよう、頼み込んだ。双の旗の麓に腰を下ろした少年は、恐怖に唇を震わせながら敵を待つのであった…と簡単に説明するとこんな感じで、二作目にしてとんでもないアクション映画を生み出したフー・ピンのニューウェーブアクションの新境地を開拓したチャイニーズウェスタン(中国製西部劇)である。

いゃ〜、今から初鑑賞したが面白い。冒頭の夕日に照らされるシルエットで、馬にまたがり疾走するファースト・ショットはたまらなくかっこよく美しい。あの砂嵐の中、馬の蹄の音が聞こえる中登場するシーンや風の音を強調する演出、荒涼とした映像は圧倒的である。しかもなかなかしゃべらず無言の圧力で威嚇する感じがたまらない。あの食堂の中での義父の娘が犯されているシーンで、俺の嫁だと言って主人公の青年が戦う場面で羊の赤子が真っ二つに斬られて血を出す数秒間のショットをすごく胸くそ悪い。ただ、敵を倒す場面はかっこいい。特にからくりのように両腕から剣を出したりスタイリッシュ。
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