Hironori

激動の昭和史 沖縄決戦のHironoriのレビュー・感想・評価

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)
4.3
6月23日「慰霊の日」は近づいてきたこのタイミングでこの映画をAmazon primeで見つけて視聴したが、沖縄県民として何度も戦争の資料を見たり話を聞いたりしているけど、何度見てもやはり苦しくなる。

ヨーロッパ戦線に決着がつき、中国でも敗色濃厚、南洋諸島も次々と陥落して、もう国として負けが見えた中で始まったこの地上戦で、県民の1/3が亡くなり、そして日米兵も多数亡くなってしまったが、本当に意味のある戦争だったのだろうかと思う。

何より、終始行われ続けた様々な場面での「自決」は最も唾棄すべき行為であり、それを指示した人は万死に値する。そして、推奨するような風潮や教えをどうして止められなかったのかを今一度向き合って考え、2度とこのような洗脳じみた教育を行ってはならないと再認識する必要があると思う。

今を生きる若い世代である私達は、あの時代に生きたくても生きれず、理不尽な環境に命を奪われた同い年、もしくは年下の青少年が多くいたことを忘れてはならず、1日1日を精一杯生きなければならないとこの6月23日がくるたびに思わなければならないと思う。

そして、あと10年もすれば「戦争」を理解して体験した世代の人々が格段と減ってしまい、本気で警鐘を鳴らし続ける日本人が少なくなってしまうかもしれないが、決してこの記憶を風化させてはならないと皆が考える必要があると思う。
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